Then Comes The Body / ナイジェリアのバレエダンサー

夢は生まれる場所を選ばない
―古海カナエ（MILBON AWARD大賞受賞者）

『一番大事なのは心で身体はその次』。
身体的な要素よりも、まずはバレエを踊りたいという情熱が大事。

ダニエルの言葉に問いかけられたように、自分のこれまでを顧みています。
私の中に望みが生まれたとき、一生懸命に育んできたときもあるけれど、環境に押し潰されて萎れてしまったこともあります。私は頭が良くないから、親が許さないから、仕事があるから。私を取り囲む『できない』が歯止めをかけようと襲いかかったとき、私はしばしば自分の望みをちっぽけなものに感じて、目を背けてしまっていました。周りがどうであろうと、望みそのものは美しいままだったのに。

バレエスクールの生徒たちはダニエルの教えを守り、情熱を忘れていないのでしょう。誰に何を言われようとも、私がやりたい、やらなければ、という情熱。だからこそ皆の踊りは指先までエネルギーに溢れ、こちらを鼓舞します。
水たまりだらけの道でも、雑踏の中にあっても、生徒たちは手足を伸ばして踊ります。まるで今にも飛び立っていきそう。その自由なバレエに、かつての夢を想います。