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DESIGNER'S
REVIEWS開催報告 / 選考デザイナー総評

新たな時代の挑戦から生まれた、
感性の結晶。

開催27年目を迎えたミルボンフォトイベント「DAフォトワークス」。
世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るい、思うような活動ができない中、
日本・中国・台湾・韓国・香港・マレーシア・シンガポール・ベトナム・アメリカから
リアリティブ部門 707作品、アバンギャルド部門 393作品、
合計1,100作品のご応募をいただきました。

エントリーされたデザイナーの皆さまに心から敬意を表します。
作品からは情熱が溢れ、創造力の可能性を再確認できるイベントとなりました。
これからもミルボンは、デザイン創作を通じて感性をアップデートし続けるデザイナーの皆さまを応援してまいります。

DESIGNER'S
REVIEWS

選考デザイナーの総評
  • 小村 順子

    ACQUA

    リアリティブ部門では、メイクやモデルなどかなり見覚えのある作品が多かったので、もっと新しい事にチャレンジしてみても良いかもしれませんね。
    アバンギャルド部門では、カラーリングや写真、ファッションなどトータルでのクオリティが高くなってきていると思いました。アバンギャルドな作品としては色んなことを強くしたくなりますが、一番はモデルさんが置いてきぼりにならないよう、インパクトありきにならないと良いと思います。
    全体的にトータルバランスはとても良くなっていると思います。見応えのあるハイセンスな作品が多かったです。
  • 宮村 浩気

    AFLOAT

    リアリティブ作品のクオリティがだいぶ上がってきているなと思います。正直それがいい傾向なのかわからないですが、オシャレすぎな点も気になりました。
    また、アバンギャルド作品は年々クオリティが上がっているとは思います。シルエットの変化を感じますし、グリグリ、チリチリみたいなのが新鮮でいいですね。パキッと感は古く見えてしまうので、その辺を捉えた作品に目がいきました。
    また来年楽しみにしています。
  • 木村 直人

    air

    リアリティブ部門ではリアルで表現できるものの幅の広がりを感じています。リアルだけではない領域の中での自己表現は今後の美容活性に繋がると信じています。
    アバンギャルドっていう部分の中、時世もあり、逆にリアリティも感じました。かつてのアバンギャルドがアバンギャルドではない世の中の到来を感じています。
    幅を定めすぎず、自由な発想の作品を今後も沢山見たいです。
  • 岩田 敏靖

    Angelica

    リアリティブ部門の目を惹く作品は、いかにモデルの魅力を引き出しているかという部分において抜きん出ていたと思います。やはり良い作品というものは、真剣にモデルと向き合う事で生まれるのだと感じました。
    アバンギャルド部門はとても見応えがありましたが、過去にあった作品やピンタレスト等で見たものをモチーフにした作品も結構目に付きました。無駄を削ぎ落とし、良いものだけを残す「引き算」もとても大切だと思います。
    情報共有によって多くの作品が似たり寄ったりになる傾向も否めないと思います。もっともっと一人のモデルと向き合い、本当に似合うものを追求し、全ての無駄を削ぎ落とした"simple is best"を目指しましょう!
  • 小松 利幸

    ANTI

    素敵なリアリティブなデザインが沢山ありました。インパクトだけでなく美しさを兼ね備えたデザインは女性像を感じ、作品が歩き出すようでした。
    私が想像するアバンギャルドは、強くあっても女性の素敵さだったり美しさが表現されて、そこには女性像を感じさせるデザインが必要と信じています。ただ見たことのないバランスやインパクトが優先され、女性像を感じられないデザインは特殊なヘアメイクを育成するには良いと思いますが、サロンワーク又は美容師の成長の為と考える部門としたら方向性が造形世界に偏り兼ねないと思います。
  • CHIKA

    artifata

    リアリティブの考え方が浸透してきていると感じました。現実の生活の中で輝いて生きていけるお手伝いをするのが美容師の使命、その観点から見て、シンプルで素敵なヘアが数多く見られました。
    アバンギャルド部門の印象は全体的に洗練されて来たと感じました。やり過ぎ感がありがちなテーマだけに力が入ってしまうものだけど、センスいいなと感じられる作品を多々見ることができました。
    大変な時代の中、コンテストを通して、美容師にcreativeの可能性を再度確認できたと思います。
  • 大林 博之

    ASCH

    リアリティブ部門は入賞者のなかでもリアリティブがリアルを超えすぎてクリエイティブに入り過ぎると、作品として損をしていると思います。
    アバンギャルド部門について、今の時代にアバンギャルドを創作することは必要だと思います。
    もっともっと独創的な考えを磨いて美容の芸術家として世界を動かしましょう。全体的には上手くできていると思いますが、独創的な考えをもう少し磨いてほしいと思いました。
  • 古城 隆

    DADA CuBiC

    リアリティブのアプローチ(写真の撮り方やヘアスタイルなど)が良くも悪くも決まっていて、クオリティは高いですが、新鮮味に欠ける印象でした。
    アバンギャルド部門はとてもクオリティが高い作品が多かったです。やはり、アバンギャルドというと、世界観に激しめな強さをイメージしやすいですかね。テイストが似ている作品が多い印象でした。アバンギャルドという意味の捉え方が広がると、もっと表現の仕方も広がっていくように感じます。
    DAフォトワークスの位置付けは、現場から見ても、美容業界にしっかり浸透していて、レベルの高さも認知度が高くなっている印象で、素晴らしいです。
  • 土橋 勇人

    DIFINO

    リアリティブ部門は全体の作品レベルが上がってきていて、見ていてとてもワクワクしました。光の使い方もとても上手い作品も多い一方で、アバンギャルドに近い作品もあり境目が難しく感じました。
    アバンギャルド部門は突き抜けた表現も多く、デザインの幅は無限大だと感じます。しかし、僕たちは女性を美しくする仕事なので、度を超えた大げさな作品は、ちょっと厳しいなとも思います。
  • 高橋 正樹

    ELENA

    リアリティブ部門の上位作品はシンプルでありながらも見せたいポイントが絞られ、こだわり抜かれたレベルの高い作品が多く見られました。一方、技術で見せるものではなく、写真の雰囲気に頼るものが多くみられました。
    アバンギャルドという振り幅が広いテーマの中でいかに新しさ、オリジナリティを出すかがポイントとなりますが、意外と「見たことあるかなー」というような作品が多く見られました。一方では新しい表現にチャレンジしている作品も幾つか見られヘアデザインの表現の可能性も明るいと感じました。
    新しいチャレンジはとてもエネルギーがいることですが、どんな状況下でもデザインを通じて自分達はチャレンジし、成長できると皆さまの作品通じて感じました。
  • 潘于兰

    GODHANDS

    リアリティブ部門のデザイナーの水準は、全体の髪色やメイク、撮影すべてにおいて予想を超えて非常に高くなってきていると感じます。ただ、まだクリエイティブと言えるような作品も見られます。
    アバンギャルド部門の作品は以前と比べ、驚くほど水準が高くなっています。全体的にインスピレーション、ファッション、メイク、カラー、シルエット、背景、撮影すべてにおいて明確な自分印が感じられます。
    デザイナーの努力によりさらに優秀な作品が生まれることを信じ、2021年のDAフォトワークスもぜひ期待しています。
  • 小松 敦

    HEAVENS

    リアリティブはエッジが程よくきいているが、自然体のスタンスの作品に魅力を感じます。優先は素材美や独自の美意識、普遍的な女性像の持ち方がデザイナーとしてのスタンスだと思います。リアリティブ思考で自分らしさに徹底してこだわって欲しいです。
    アバンギャルドはイコール過激と捉えない方が良いのでは?もっと高い意識でファッションと連動するイメージが欲しいです。少しだけ清潔感や品性や女性像などを加えるだけでも多くの人に影響を与えるものに変われる気がします。
    コロナ禍の中エントリーなさった皆さんには感謝と尊敬の念です。難しい状況の中、勇気と決断で行動したことは全て賞賛されることでしょう。夢を描くことを続ける。その姿の背中を見せる。こういった活動や教育の姿勢が大切だと思います。
  • 周波军

    IDOL-PLUS

    リアリティブ部門では、目を引くような創造的な作品が多かったです。
    アバンギャルド部門では、年々クオリティの高まった作品を目にした時はとても感動しました。
    DAフォトワークスにはデザイナーのクリエイションやインスピレーションが表現された優秀な作品が多く投稿されています。このようなコンテストに参加することはデザイナーとして発想力や創造力をより高めることにつながります。今後も多くのデザイナーが参加することを期待しています。
  • 小林 知弘

    kakimoto arms

    リアリティブの度合いを調整する事は自分でも難しく感じますが、引き算をしてデザインポイントを絞り、洗練させていく事でクオリティの高いデザインが生まれるのではないかと思います。
    アバンギャルド部門では、自分ではこんな発想できるかなと驚かされるような、とてもクオリティの高いデザインが多く、非常に刺激をもらいました!
    近年は情報収集を簡単にできる反面、デザイン表現が似て来る傾向にあります。デザイン発想の方法やアイデアソースも時間をかけ磨き、オリジナリティのある挑戦をしていけたらと思います。
  • 塚本 繁

    k-two

    今回審査した作品からは情熱を感じるし、発信したい!って想いをかなり感じました。
    リアリティブはリアルなモデルヘアでのクリエイションで魅せているような限界突破の作品が目についたなという印象でした。
    アバンギャルドは、発想豊かに全体の印象をどう魅せるか?を追求した作品は素晴らしかった。アバンギャルドって全体のイメージが大事かなと思うので、世界観ある作り手の想いが表現されている作品に目がいきました。
  • 内田 聡一郎

    LECO

    リアリティブの定義というか境界線が非常に難しいとは思いますが、リアルをしっかり捉えて自分の世界観とモデルさんを生かすセンスが大事です。
    アバンギャルドについては、振り切る強さを出すにはそれなりの経験に裏付けされた技術と同時に常識に囚われない鈍感力も大事だと思っていて、それができる人はまだまだ少なく思います。
    モデルに似合うこと、やりたい世界観、まだ見ぬ新鮮さ、気持ちいい引き算を同時に掛け合わせることは超難しいです。常にチャレンジです。創り続けた人が最適解にたどり着くと思います。僕自身も今回は本当に美容師がなぜクリエイティブするのか?を問われる重要な時間になりました。どんな形でも絶対に創ることを止めない。その想いがより一層、美容業界に伝染していけばいいなと思います。
  • 三好 真二

    LILI

    リアリティブというだけに、ヘアはナチュラルだけど構成はクリエイティブな部分を出すとか、メイクとヘアのバランスを崩すとか少し工夫があってもいいなと思いました。
    皆様の作品へのこだわりが好きなんだ!!というのがすごく伝わってきた作品ばかりでした。
    モデル、衣装、メイク、カメラ、全てがフィットしないといい作品はできません。そこの時間をどれだけ費やしたかが一番大事だと思います。テーマに沿ったスタイルづくりはすごい難しく、個性を出せる場所だとも思っています。やはり美容師はデザインを追い続かなければいけないなぁと思わせてくれました。
  • 岡村 享央

    MINX

    今年は、特にアバンギャルド部門のレベルが高かったと思います。新しいデザイン発想が多く、とても良かったです。
    リアリティブ部門についてはヘアのデザイン性にもう少し新しさがあってもいいと思います。ウルフやウエットな質感が多いので、次の新しいトレンドを見たいと思います。
    こういう時代だからこそ改めて、クリエイティブの大切さが必要だと思いました。作品のクオリティが上がれば必ず美容師として成長すると思います。是非、その環境を創り続けていただきたいと思います。
  • 任玉平

    MY HAIR SALON

    デザイナーのデザイン力は明らかに高まっていますし、ウイルス感染が拡大する中において、これだけの質の作品数が投稿されていることは美容業界に期待と誇りを感じます。
    リアリティブ発想はすでにデザイナーの心に刻まれてきているので、デザイン創りを楽しみ、熱中し、想像力と創造性の実践を通じて体現していくことが個々の差別化につながっていくと思っています。これは顧客の幸せにもつながります。
    DAフォトワークスはデザイナーの成長を確実に後押し、美容業界の進化につながるいい機会です。来年も更に多くのデザイナーが参加し、全体のデザイン力の進化につながることを期待します。
  • 福井 達真

    PEEK-A-BOO

    リアリティブ部門はリアルとクリエイティブの狭間のデザインが見所な部門ですが、流行りのフォルムより、モデルさんがフォーカスされているデザインが多く目を引きました。リアルをより追求することで、見えてきた価値観等が作品に現れているのだと思います。
    アバンギャルド部門は、リアリティブな作品も多く見受けられました。感じ方には個人差があるとは思いますが、アバンギャルド部門では、1番最初に決めるのは「世界観」だと思います。コマ切れの作品では無く、ストーリーがある作品作りを心がけると見ている人に訴えかける作品になると思います。
    全体的には高いレベルの作品が多く見応えがありました。コンテストなので傾向と対策がありますが、そこに情熱をプラスしてクリエイションをし続けてください。
  • KEVIN

    QTIE

    リアリティブ部門は、ライト(光)を上手に活用して非常にハイレベルでした。
    アバンギャルド部門では自分の想いを語るような作品が多くて、非常に驚いたのと同時に貴重な体験をさせていただきました。
    コロナウイルスの影響で違うやり方でチャレンジして、美容を一歩先に進めていただき、交流する事ができてすごくいい企画です。来年はもっと沢山の素晴らしい作品が創られることを楽しみにしています。
  • 薫森 正義

    Rougy

    リアリティブとアバンギャルドの差が無いのが残念…。
    リアリティブ部門は相変わらず街を歩けないヘアスタイルが多々ありました。またメイクなど装飾がやり過ぎな傾向があります。それはアバンギャルドでやることで、出す部門が違う気がします。
    アバンギャルド部門は突き抜け感がある作品が少なく、アバンギャルドというのがまだまだ感じがつかめてない作品が多かったです。
    もうみんなリアリティブは創れる様になってきているので、アバンギャルドの方に力を入れていくとより良いと思います。クリエイティブな物をもっと創れる様になるとバランス感覚、スピード、技術、発想力など美容師として必要な事が伸びるのでそこの底上げをした方がいいと思います。
  • 玉置 明日香

    snob enVAmp

    リアリティブ部門は、こんな時だからこそ、街中で歩いていても振り返るようなとびきり可愛い女の子の作品など自分が可愛い!と感じてドキッとした作品を選ばせていただきました。
    やはりどんな時も、『今自分のやりたいことを表現すること』と『モデルさんの魅力を今より引き出すこと』のバランスを、心地よくとることがとっても大切なんだと思います。時代性や流行のバランスなどもありますが、自分自身が自信をもって魅力的だと思うヘアが、その時の彼女にフィットしていること。そういう作品がキラキラ輝くのではないかと思います。