Hannah’s Dream / ハナの音楽

音楽の優しさって、わざとらしくなくて美しい
―古海カナエ（MILBON AWARD大賞受賞者）

大事な人が心のバランスを崩してしまったとして、そのとき何ができるでしょうか。
家でふさぎこんでいる父親の背中を無理やり押すのではなく、彼自身に「前に進みたい」と思わせる、そんな素敵なプレゼントを贈ったハナ。人が心動かされる瞬間を、お父さんの音楽がいつかのハナに教えてくれたのかもしれませんね。

音楽の優しさってわざとらしくなくて素敵です。演奏する本人たちが誰かを励まそうとしているわけでなくとも、聴く人は元気をもらったり、ほっと一息ついたり。何も感じとらずじっと聴き入っても良いし、乗っかって踊り出したっていい。
そして、前向きな気持ちが合わさったときのエネルギーってものすごいですね。一人の演奏だけでも圧倒されるのに、幾重にも重なった音が心臓をぶるぶる震わすあの感覚。ハナの音楽はきらきらしていて、つい飛び込みたくなってしまう魅力があります。

傷付いた人を見ると、慰めようと必要以上に気を遣ったり、一緒になって落ち込んでしまったりする私。でも、まずは私が生き生きしていることが大前提なのかもしれません。

今は頑張れなくても大丈夫。その気になったら一緒にやってみよう。
そんな気持ちでいようと、楽器を弾けない私は鼻歌から始めてみます。