Numéro 10 / 10番

私なら実力で魅せられる。そんな自信がまぶしい背番号
―古海カナエ（MILBON AWARD大賞受賞者）

エースナンバー、どうしようもなく魅力的な数字です。試合状況も体力もぎりぎりで苦しい中、その背番号を背負ったチームメートが視界に入っただけで希望が湧いてくるのです。エースたちが堂々として見えるのは、きっと自分を信じているからなのでしょうね。

サッカーの才能を見出された主人公のアワ。父親に対して進路の変更を申し出ますが、『俺が恥をかく』、なんて跳ねのけられてしまいます。

私にも似た経験があり、聞きわけの良い子に収まったことを今でも後悔しています。本当は『俺が』ではなく『私が』どうかが大切なのですよね。恥をかくのもかかないのも、すべて私の権利ですから。もしも恥をかいたって、そうして学んだことが人生を豊かにすると思えばいい。たとえ結果が完璧じゃなくたって、挑戦できればもう成功なのです。
誰かに否定されたとしても、本当は不安だったとしても。私なら全う出来る、選択に責任をもてると、自分を勇気づけるのが自信をもつ第一歩なのかもしれません。

10番を任された期待がまたアワを強く、堂々として見せるのでしょう。私なら実力で魅せられる、長々と説き伏せる必要なんてない。そんな自信がまぶしい背番号です。