PRODUCT

ヘアドライ時間をヘアケア時間へ!美容液ミストが出るドライヤー エルミスタ開発の裏側

PRODUCT

SHARE

パナソニックとミルボンが共同開発した次世代型ドライヤー、エルミスタ。
パナソニックが牽引する美容家電の技術と、ミルボンが培ってきた毛髪科学の知見。
二社の共同開発により誕生した、次世代型のドライヤー エルミスタの魅力について、開発を担当されたお二人に話を伺った。

左:株式会社ミルボン 井口さん 
右:パナソニック株式会社くらしアプライアンス社 追風さん

Q:エルミスタの大きな特長は?

追風 大きく分けると、2点あると考えています。まず1点目は、ドライヤーから美容液ミストを噴霧できるということ。これにより、髪を乾かしながらケア成分を髪一本一本に届けられるという、新しいヘアケア体験を生み出すことができました。

2点目は、髪の毛一本一本をほぐれやすくするような風で、乾かすだけでまとまるドライを実現させたこと。これも、エルミスタの大きな特長だと思います。

吹き出し口が横向きになっていることも、乾かすだけでキレイにまとまるヒミツのひとつ

Q:美容液ミストが出てくるドライヤーって・・・!?

井口 従来、ドライヤーで髪を乾かす前に使用するアイテムであるアウトバストリートメントは、毛先を集中的にケアするアイテム。逆を言えば、根元付近はケアしづらい傾向がありました。

追風 エルミスタは、『エアリーミスト技術』を搭載したことで、髪の毛一本一本にミスト状で美容液を届けることに成功しています。弊社が超小型のマイクロチューブポンプを独自開発し、それによって一定の噴霧量を保ちながら、美容液を供給することが叶いました。この技術によって、特にケアしにくい根元付近にも均一に美容液を塗布することができるようになっています。

〈エアリーミスト技術のイメージ〉

美容液を微粒子化して噴霧することで、手での塗布や一般的な霧吹きでは難しい均一な塗布を実現

井口 エアリーミスト技術によって、ミルボンが開発した美容液がミスト状に噴霧されます。ミストの微粒子のサイズは毛髪の平均的な直径よりも細かな約0.05mm。この微細な粒子のミストがドライヤーの風に乗って髪全体に均一に付着する仕組みになっていますので、髪が濡れていくような感じはしません。
また、今回の美容液は水溶性ベースで、その中になめらかさとやわらかさを与えるオイル成分を濃縮配合させており、ドライヤーで乾かすだけで、髪が自然にまとまってキレイになっていきます。

〈オイル成分を濃縮配合した美容液のイメージ〉
ミルボンが開発した美容液、エアコンク。本体に取りつけてミスト化させる

Q::乾かすだけでまとまる風とは?

追風 今回新たに開発したエアコーム技術は面で直進する強い風を生み出します。
毛と毛を一度整列させて、そのままの状態で風が通り抜ける仕組みになっているため、乾かすだけでまとまるドライが実現しました。まずはエアコーム技術でキレイな髪を創っておきます。

その上で、ミストを噴霧することによって、上質な手触りや、まとまったシルエットを創ることができます。

ドライヤーそのものとして質が高いものを目指し、ミストの噴霧なしでもキレイに仕上がるように開発されたのがエアコーム技術です!

〈エアコーム技術のイメージ〉

髪を一定の方向に細かくほぐして乾かす風で、髪がからまらず、ドライしながらキレイにまとまる


Q:エルミスタ開発にあたり、もっとも大切にしていたことは?

井口 一番大切にした部分は、乾かした後の髪がしなやかでやわらかい状態であることです。美容室で使用されているさまざまなドライヤーの研究と、美容師さんへのヒアリングを繰り返した結果、手を通したときに髪がしなやかでやわらかに感じられることが、美容師さんから喜ばれるドライヤーの大きな特長であることに気付きました。

追風 弊社は、最初ミルボンさんが追及する『しなやかさ』についてどのように解釈したらよいのか迷いました。そして、どうすればそれを実現できるのか、道筋を立てて実現していくまでに、何度も試行錯誤を繰り返しました。

Q:特に印象的だったことや、苦労したことを教えてください

井口 実ははじめ、美容液はオイルベースで開発を進めていました。しかし、美容師さんのお話を伺っている中で、『ドライ後は軽やかでやわらかく仕上げたい。でも、オイルベースだと重くしっとりした質感になってしまう』という話があって。

それで、心機一転、方向転換して、水溶性ベースのオイル粒子濃縮処方でやりたい!ということを追風さんに持ちかけました。私自身も、開発を振り出しに戻すような提案をする以上はこれまでにない仕上がりの美容液を開発しなければならない、と覚悟を決めて開発に取り組みました。

非常に苦労しましたが、パナソニックさんも美容液の効果を最大限引き出すデバイスを開発してくださって、お互いの長所を生かし合った形で協業ができたと思っています。

紆余曲折を経て生まれた美容液ミストであるエアコンク
まずは30秒から1分ほど髪の根元を乾かしてから、手元のミストボタンで美容液の噴霧を開始する。
噴霧時間はボタンを押す回数でコントロールでき、自動停止後そのまま乾かして仕上げる。
(噴霧時間の目安:ショートヘア-1分、ミディアムヘア-2分、ロングヘア-3分)

追風 私の方では、ノズルの先端に美容液が詰まらないよう工夫するのに苦労しました。乾燥後、ノズルに残った固形物が詰まって、品質問題が発生する可能性が大いにあると考えました。

詰まりだけは発生させてはいけないし、もしも詰まってしまったときには交換できるようにしなきゃいけない。従来の技術だとどうしても防げないので、今回の「マイクロチューブポンプ」を採用しました。

こちらは非常に圧力が高いという特徴があり、詰まったものを押し流すだけの強いパワーを持っています。どこにも逃げ場がないので、チューブポンプが回転し続ける限り、美容液は絶対に送り出されていくということになります。

〈イメージ〉

追風 しかし、「マイクロチューブポンプ」の技術は、非常に精度が高い医療用の透析機器などに使用されるような技術です。初の実験的な試みになるので、もしも搭載するのであれば納期が全く読めなくなります。

美容家電であるドライヤーにそこまでの技術が本当に必要なのか、何度も社内で問われて、そのたびにこの技術が必要な理由に向き合いました。

途中で何回か挫けそうになったのですが、そこを乗り越えてすばらしい製品ができたと感じています。

「マイクロチューブポンプ」の試用機

Q:開発道中、エルミスタをサロンで検証してみたときの反応は?

追風 美容師さんに使っていただいて初めて言われたのですが、風の質がやわらかくて、「まろやかな風」とおっしゃっていただいたことが印象に残っています。

なかなか風の表現として「まろやか」って聞いたことがないですし、私達は普段、風そのものに対しては風量が強いとか、速乾ということ以外あまり特徴を訴求しないんですね。

でも、プロの方に見ていただいて、やわらかくまろやかな風によって、毛束が自然にほぐれるとか、速乾性が高いのに毛先が散らない、ということをおっしゃっていただいて。

何度も何度も試行錯誤しながら作り上げてきた風の部分が素直に評価されて非常に嬉しかったですし、これはいい製品になるんじゃないかなと感じました。

あとは、音が非常に静かだと言われました。今回開発したモーターの音の質が高周波高音域になったためです。

お客様と会話しながらドライヤーができるという点も、地味なところではあるんですが、プロの方にとっては貴重なお客様とのコミュニケーション時間を創ることができたという意味で、評価していただけて嬉しかったです。

〈イメージ〉 

井口 ドライ中に不快に感じる引っかかり感はなくしたい!と考えて、ここもかなり注力して開発を進めました。社内でも検証をたくさん行い、お客様へ快適なドライ時間を提供するべく、より高みを目指していくことができました。

Q:改めて製品が出来上がって、どんな方に使ってほしい?

追風 ずっと自分の髪に悩んでいる方や、今の状態をどうにかしたいって思っている、悩みの深い方ほど使っていただきたいなと思っています。その方たちに絶対喜んでもらえると思いますし、一度感動を味わったら、それを他の人にも伝えたくなるような製品になっていると感じています。

私はモニター評価がとても好きなんですけど、いろいろなお客様に私が創った試作機を使ってもらったときに、明らかに顔つきが変わるときがあるんです。自分の悩みにぴったり当てはまったときの興奮や喜びってこちらまですごく伝わってくる。

エルミスタは一度使っていただいたら、その良さを自分だけじゃなくて、まわりにも伝えたくなるような感動できる製品になっていると思います。

井口 私は、もっともっと髪質を良くしたいっていう方にも使っていただきたいです。
エルミスタはアウトバストリートメントやサロントリートメントなど、これまでのヘアケアでは実現しにくかった質感、仕上がりを叶えることができると考えているので、悩んでいる方も、さらに良くしたいという方にも可能性を感じていただけたらと。

エルミスタ使用前の状態
洗髪後、エルミスタを使用して自分で乾かした状態(ブラシブローなし)

おわりに

井口 個人的な話になってしまうんですが、入社する前の社長面接で私は「シャンプーやトリートメントなどのヘアケア製品以外にも、もっと他の機器や道具を通してお客様に喜んでいただくことができるのではないか」と、お話をしました。

このプロジェクトが始まって、いろいろな経験をさせていただき、ようやく発売を迎えたときに、ふと思い起こされたのがその時の記憶でした。

その当時から思い描いていた可能性をようやく体現でき、エルミスタを通した新しいヘアケア習慣や、新しい体験の可能性を提供できることがとても嬉しく思います。一人でも多くのお客様に届いてくれたら嬉しいです。

追風 弊社の専門モニターは、毎日毎日ドライヤーを使ってモニター評価をされているので、髪の傷みを気にされる方もいらっしゃるんです。そのため、ヘアケア製品や、美容室選びには非常に気を遣っていらっしゃいました。そんな中で、みんなが口を揃えて言うのが『ミルボンさんのヘアケア製品が素晴らしい』ということでした。

実はこのドライヤーの案は、2013年くらいから社内で温めていたテーマでした。より良いものを創りたいという気持ちから、ミルボンさんにお話を持ちかけさせていただき、ようやく実現したプロジェクトです。

この開発を一緒にやらせていただけただけでも非常にありがたいな、と思っているのですが、その道中で一緒にいろいろな経験をさせていただいて、実際に製品がこのように仕上がってこれから世に出ていくということで、感謝してもしきれない思いがあります。

実際にエルミスタがどれだけ広がっていくかというところが、非常に楽しみです。

エルミスタの魅力、まだまだあります!
【あわせて読みたい記事】
根元は未来の毛先!根元付近からのケアの重要性を見出し、エルミスタ誕生を支えた確かな研究力 | Find Your Beauty MAGAZINE (milbon.co.jp)

パナソニック×ミルボンのドライヤー「エルミスタ」の実力は?オージュアの風で乾かすケア体験をレポート | Find Your Beauty MAGAZINE (milbon.co.jp)

製品概要

語りつくせなかったコトも含めて、エルミスタの製品概要をご紹介。

■エルミスタ(ELMISTA)(ドライヤー本体)
希望小売価格 ¥55,000(税込)

・エアリーミスト技術
独自開発された超小型のマイクロチューブポンプにより、目に見えないほどの細かなミストが、特にケアしにくい根元付近をはじめ、髪一本一本へ美容液を届けます。

・エアコーム技術
高回転の小型ブラシレスモーターが、面で直進する強い風を生み出します。
風による髪の乱れを防ぎ、乾かすだけでまとまるドライを実現します。

【定格・仕様】
電源:AC100V 50-60Hz
消費電力:1200 W (強風/ HOT / MIST 使用・最大出力のとき)
風量:0.95 ㎥ /min (強風のとき)
温風温度:約98 ℃
質量 :715 g (インジェクター含む、セットノズル含まず)

■エルミスタ エアコンク(交換式カートリッジ)
各9mL
希望小売価格 ¥3,300(税込)
※ミルボンのプレミアムブランド「Aujua」「milbon」2ブランドからエアコンクが登場

髪のお悩みやなりたい質感にあわせて選ぶ美容液の入った交換式カートリッジです。
※約60 回分ご使用いただけます。(ミスト2 分使用時)

【エアコンクの共通特長】
・毛髪補修成分IF-TP*1配合
根元付近のダメージケアにまで着目した毛髪補修成分IF-TPを配合。根元から毛先まで、毛髪のしなやかさの低下につながりやすいダメージ箇所を補修して、未来の髪の美しさへと導きます。
*1 トレハロース、PEG-20

・オイル粒子濃縮処方
なめらかさとやわらかさを与えるオイル成分を微細化し、美容液に濃縮配合。オイル粒子がドライヤーの風の力で髪一本一本に届きます。乾かすだけで、軽いのにまとまった仕上がりになります。


Aujua(オージュア)ブランド  3ライン

milbon(ミルボン)ブランド  2ライン

■交換用 エアコンク インジェクター
希望小売価格 ¥2,200(税込)

エアコンクを本体にセットするための部品です。取りつけてエアコンクを噴霧させます。
※ご購入時はドライヤー本体のパッケージに同梱されています
※毎日使用した場合で、年1回交換が目安となります。

ドライヤー本体、エアコンクおよび交換用エアコンクインジェクターは、ミルボンのプレミアムブランド「Aujua」「milbon」をお取り扱いいただいている美容室、および公式オンラインストアーズmilbon:iDにて販売いたします。

Aujua(オージュア)のエアコンクが気になる方はこちらから

milbon(ミルボン)のエアコンクが気になる方はこちらから

RECOMMENDED POSTS

FOLLOW US