WATER COOLER WAR / ウォーター戦争

あまりにもくだらない争いが私たちの目を奪う
―古海カナエ（MILBON AWARD大賞受賞者）

ウォーターサーバーを巡るあまりにもくだらない争い。なのに、いつのまにか物語の結末が気になって映像に集中している自分がいて悔しくなってしまいました。
小さな火種が燃え広がって、事態の収拾がつかなくなることってありますよね。そしてその頃には、当初の問題なんてそっちのけになっているという。
登場人物たちのおしゃれなユニフォームや、赤チームと青チームがぶつかり合うときに紫の煙があがるなど色彩の美しさがまた内容のシュールさを引き立てます。飾られた絵画をキーにした展開も『なるほど』、と思わせますし、チームを鼓舞する音楽もこちらを奮起させるのですが、そうやって真剣に作り込まれた要素が観ている人の気持ちを惹きつけて、意識をウォーターサーバーから逸らしていく、ということに物語が終わってから気づくのです。

エンドロールのアニメーションまで可愛く仕上げられています。よく見ている人しか気づけないお茶目な演出があるので、最後までじっくり楽しんでくださいね。