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失敗しないヘアカラーの秘訣をプロに聞いてみた。【前編】

ADVICE | 2017.06.27

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ヘアカラーをしてすぐに髪が痛む。という経験はありませんか?キレイなヘアカラーを楽しみ続けるために気を付けたいことを専門家であるヘア化粧品プロフェッショナルメーカーの研究員に教えてもらいました。


今回はミルボンにてカラーの開発チームに所属している内田朱音さんに登場いただきます。内田さんは日頃は主に“おしゃれ染め”と呼ばれるファッションカラーの研究をしており、トレンドの色などにもとても敏感。美しく髪の色を出すことを常々考えている内田さんに、気になるヘアカラーと髪の健康のことなどを教えてもらおう!と、FYBマガジン特派員の1人、Mitsubaがお尋ねしまず。

Mitsuba:今回お聞きしてみたいこと…
■ドラッグストアで売っているカラーと美容室のカラー剤の違いって?
■ヘアカラーで髪がダメージするのはなぜ?
■白髪染め(グレイカラー)とおしゃれ染め(ファッションカラー)の違いって?黒髪で白髪染めを使って効果はありますか?
■美容室でオーダーしたヘアカラーと違う色になってしまった!どうして??

Mitsuba:普段、ドラッグストアでも多くのカラー剤を販売していますが、
サロンでカラーすることとの違いをまずは教えてください!

内田さん:ドラッグストアでカラー剤を自分で選ぶ際は「この色にしたいなあ」「この明るさにしたいなあ」くらいの感覚かと思いますが、似合うカラーへと仕上げるのはなかなか難しいかもしれません。たとえば、毛先がダメージしている方がもしも根元と毛先で同じ薬剤を使ってしまうと、ムラのある状態で仕上がってしまうこともあります。それは、髪の毛の状態に合ったカラー剤ではなかったから、ということになりますね。
つまり美容師さんは、私たちの髪の毛を診断してくれるので、『毛髪の状態に合わせたお薬(カラー剤)を選べるかどうか』が、ホームカラーとサロンカラーの最大の違いかと思います。
ちなみに、サロンカラーは1つのブランドで500色以上も種類があるんですよ。

Mitsuba:そうなんですね!プロの目で判断してくれるからこそ、失敗も防げて納得いくヘアカラーになるんですね。

Mitsuba:カラー剤による髪の毛の傷みを気にする方も多いです。カラー剤って髪によくないのですか?

内田さん:カラー剤には、髪を明るくするためのアルカリ成分が含まれています。髪の毛は「弱酸性」ですので、アルカリ成分は髪にとって痛みの原因になります。ちなみに家庭用のもの(ホームカラー)はお風呂場でカラーされる方が多いことを想定して室内に臭いがこもるのを防ぐため揮発性の低いアルカリを使用していることも多いです。揮発しにくい分、ツンとした特有の臭いは抑えられますが、ご自身でしっかり髪を洗わないと後日まで毛髪中にアルカリが残ってしまうことも。その結果、残ってしまったアルカリ成分が髪の内側から攻撃をしてダメージに繋がってしまいます。一方、サロンで使用するカラーは少し臭いがしますよね。これは必要以上のアルカリ成分が髪に残留しないようにあえて揮発しやすいように作られています。また、サロンでのカラーリングでは美容師さんがしっかりと染料を洗い流してくれますし、そこでちゃんとアルカリ成分を流しきっておけば、ある程度その後のダメージを防ぐことができます。

Mitsuba:なるほど。美容室で使うカラー剤はダメージにつながるアルカリが髪に残りにくくなっていて、しっかりと洗い流してくれている。ということですね!

内田さん:そうなんです!
「髪の毛を染める」という行程では、“色を抜く”ことと“色を入れる”ことを行っています。ちなみに髪の色を抜くためにも、染料を発色させるためにも、髪のキューティクルを開き物理的に色を入れるためにも、すべての段階にアルカリが必要です。

特にこの“色を入れる”ということに関しては、キューティクルを“開いている”ことになるので、回数や頻度が多くなればなるほど、キューティクルが開いたままの、いわゆる枝毛状態だったり、パサパサになってしまう可能性があります。

内田さん:髪のダメージを減らす為には、染め上がったあとにできる限りアルカリを出し切ってもらうことが大事です。完全に髪を元の状態に戻す、というのは科学的には難しいことですが、その分ヘアケアをしっかりしていただいて、少し開いてしまっているキューティクルの状態をきちんと整えることで、ダメージを感じにくい仕上がりになりますよ。

Mitsuba:ファッションカラーとグレーカラーの違いって?黒髪に白髪染めは使えますか?

内田さん:実は、グレーカラーと呼ばれるものは「白」と「黒」を埋める目的でできています。一方、ファッションカラーは、黒髪を、明るく彩っていくもの。最近の研究でわかってきたことには、『同じ人の髪の毛であっても白い毛と黒い毛は性質が違う』ということです。先ほども髪の毛の状態に合わせてカラー剤を変えなくてはいけない、とお伝えしましたが、髪の毛1本1本に塗り分けるわけにはいきません。『白髪と黒髪、性質が違う髪の毛をどちらもキレイに染め上げないといけない』という難しさが白髪染め(グレーカラー)にはあります。

Mitusba:染め方も変わりますか?

内田さん:グレーカラーとファッションカラー、大きく染め方の要素ポイントは変わりません。ただ、抜き方や色の作り方が変わってきます。ファッションカラーはおしゃれを楽しみたい方が多いので、色味がしっかり出るもの、彩度の高いものが多くラインナップされています。一方、グレーカラーは白髪と黒髪の差を埋めなくてはならないので、ぬりつぶすような濃い色や、ぬりつぶしても自然に見える彩度の低い茶色が多く使われます。素材のコントラストによって髪に入れられる色が限られてくる、ということですね。

Mitsuba:おばあちゃんで、白髪になっている状態で紫色の方とかいらっしゃいますよね。あれはどういった状態ですか?

内田さん:ヘアカラーのなかでも種類がいろいろあります。髪の色を抜いて入れるのは「酸化染毛剤」といわれるもののこと。また、ヘアマニキュアと言われる、髪の色を抜く力の無いものもありますね。美しい白髪に色(紫など)が乗っているのは、ヘアマニキュアかと思います。

Mitsuba:ちなみに、オーダーしたヘアカラーと違う色になってしまうのを防ぐためにできることってありますか?

内田さん:普段、私たちが目にしている色は“見た目”で感じ取りやすい色です。一方、ヘアカラーの色というのは、茶色の画用紙の上に色絵の具を塗っていくようなイメージなので、プロの美容師さんであっても見分けるのがなかなか難しい部分でもあります。
ですから、一番外したくないポイント、仕上がりのポイントを、美容師さんとの事前カウンセリングを通じてしっかり共有しておくこと。これに尽きます…!

最近は微妙なニュアンスのアッシュもとても人気ですが、一言で“アッシュ”と言っても、本当に青みの強いものから、彩度の低い灰色っぽく仕上げるようなものまでバリエーションは幅広いです。写真や会話を通して、美容師さんとカラーを共有したうえでしっかり髪を見極めてもらい、髪の毛の状態に適したお薬を選んでいただくようにしてくださいね。

Mitsuba:美容師さんとのコミュニケーションって本当に大切なんですね。おそらくダメージを気にしてカラーを止めてしまう方も多いかと思いますが、そもそもカラー剤の色がどのように定着するのか、何が髪にダメージを与えるのかがわかるだけでも、心持ちやヘアケアの仕方が全く違ってくるな、と思いました。ありがとうございます!




内田朱音さん
(株式会社ミルボン)開発本部 中央研究所研究開発グループ ヘアカラーチーム チーフリサーチャー

鈴木絵美里ライター

東京外国語大学卒業。広告会社と出版社での10年間の勤務を経て現在はフリーランスで編集企画執筆に携わる。新しいローカルコミュニティ、食、農業、働き方、暮らし方、場づくりなどの題材を幅広く扱う。湘南生まれのロックンロール育ち。

CREDITS
写真:ミネシンゴ
取材・執筆:鈴木絵美里
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