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ファンを掴んで離さない。オージュアの商品力を支える研究の流儀

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ミルボンのなかでも圧倒的人気を誇るブランド、「Aujua(オージュア)」。

一人ひとりの髪の悩みに対応するヘアケアブランドとして2010年に誕生し、今年で13年目を迎えます。そんなオージュアの人気の裏側をのぞく企画として全3回に分けてお届けします。

前回の記事では、研究開発部の森崎さんにオージュア誕生の背景、愛される理由、ファンにも定評がある香りの開発秘話を伺いました。

第二弾である今回は、基礎研究グループのおふたりにインタビュー。おもに毛髪研究を専門とする鈴田さん、地肌研究を専門とする渡邉さんにオージュアの研究は何がすごいのか研究所に訊きに行ってきました。

取材が始まるやいなや話が止まらない。熱苦しいほどのミルボンの研究魂…… これを読めばオージュアを使いたくなることまちがいありません。

第一弾「オージュアが積み重ねた13年間。愛される製品開発の裏側と思想」はこちら
第三弾「“使うと人に会いたくなるシャンプー” 10年近く使い続ける愛用者が生まれるオージュアの魅力とは」はこちら

研究とは「原因究明力」である

右:鈴田和之
ミルボン入社22年目。基礎研究グループ。毛髪のことになるとつい熱くなってしまう。
左:渡邉紘介
ミルボン入社10年目。基礎研究グループ。この世から地肌や毛髪の悩みをなくすことが夢。

鈴田(以下 鈴)「オージュアって、製品が一つひとつすごく尖っているんです。なので大きなところからお話をしたいんですが、まずオージュア研究の根っこにあるのは徹底した原因究明ですね。例えば髪の毛がパサついているとき、水分を保湿しようというのは商品開発の視点です。一方、なぜ潤いがなくなってしまったのか?と深掘っていくのが原因追究の考え。ここが大事なので、うちはしつこいくらいに究明します」

オージュアの16種類あるラインナップは、ピンポイントで悩みを解決するもの。ブリーチによるスカスカやごわつきが気になる、年齢とともにカラーやパーマのダメージが気になりだした、地肌の乾燥やかゆみが気になるなど、さまざまな悩みに対応できるラインナップです。

研究テーマを絞ったうえで、悩みの原因をいくつもの視点から科学的に探り、分析を重ねて解明することで、ようやく効果成分を探すフェーズに入れるといいます。

渡邉(以下 渡)「例えば『エクイアル』という、年齢と共に毛先のまとまりと根元の立ち上がりが気になりだした方のための、シルエットケアの商品があるんです。

毛先がスルっと内側に入るようにするには、まず根元からふんわりと立ち上げないといけない。すると多くの場合は、根元の髪を強くする成分を配合すればいいという結論になりがちなんです。

しかし本当の原因を探るために髪の断面をよく観察してみると、髪の内側と外側では構造が異なり「二重構造」のようになっており、その「二重構造」が加齢によって変化していたことがわかったんですよね。そこまでわかってようやく初めて、本質的にアプローチしないといけない箇所や必要な成分が見えてくるんです」

この二重構造もすんなり見つかったわけではなかったんだとか。最初はキューティクルと見間違えたのかと思いながらも、試しに毛髪をやすりで削ってみることで明らかに違う構造があることがわかったそう。

鈴「研究って、どれだけ多角的に物事を見れるかだと思うんです。二重構造も粘り強く深掘った結果だと思いますし、このあいだは、髪の中身を詳しく見るために細い1本の髪をカニカマのように縦に裂こうと頑張っていた仲間がいましたね(笑)。めちゃくちゃ大変そうでしたけど。

若い研究員からは斬新なアイデアが出てくるので、それをみんなで話し合って吟味して、みんなで原因追究にあたっていくのがミルボンの研究スタイルです」

先端テクノロジーとタンパク質科学

鈴「ミルボンの研究の特徴といえるのが、『SPring-8(スプリングエイト)』の活用。日本最先端の大型放射光施設『SPring-8』を使うことで、これまで解明できなかった髪の毛の細部の研究が実現できています。徹底した原因究明には欠かせないですね」

とてつもないほどの強い光を生み出すことで、さまざまな物質の細部の観察を可能とすることから、“光の工場”ともいわれるSPring-8。ここでの研究結果や知識が、オージュアに反映されているんですね。

鈴「そして、大事にしているのは『タンパク質科学』の視点。髪の毛は人の一部であり、そのほとんどがタンパク質から出来ているんですが、これまでの毛髪研究はこの視点がそこまで重要視されていなかったように思います」

毛髪研究は、実は、衣類などで古くから使われてきた“羊毛”の研究がベースになっています。羊毛とヒトの毛髪は構造的に似ている部分が多いので、羊毛研究で得られた知見が人間の髪に使う製品の研究にも活用されています。

ただし、羊毛は元々洋服の研究としての歴史が長いため、染めたり縮まないようにしたりする“工業的”な見方が多いんだそう。

鈴「そこで、工業視点ではなく髪の毛を生体材料として、タンパク質からできた生き物の組織として捉えて研究に取り組んでいったんです。おかげで、『iDTコンプレックス』というすべてのオージュア製品のベースになる毛髪補修成分を完成させられたり、他にも画期的なテクノロジーを生み出したりすることができました」

渡「鈴田さんが話してくれたのは毛髪寄りの話なんですが、僕が担当している地肌を中心とした皮膚科学に関しては、生きている菌も相手になるんです。もちろん肌の研究も参考にするんですが、顔と頭では潜んでいる菌がぜんぜん異なるので、全く違うアプローチになるんですよね」

渡「お肌の悩みを聞かれると、くすみとかTゾーンのテカリとか、わりとすぐに出てきますよね。でも地肌の悩みって意外と自分でわからなくないですか? けれども将来の髪の毛を決めるのは地肌環境なので、地肌の状態を知ることはすごく大事なことなんですよ」

どのように人間の生態を理解し、広い視点やアイデアで研究を深めていくか。それにはきっと終わりがない。研究は想像以上にクリエイティブな仕事です。

常識を疑って辿りついた「紫外線研究」

16種類の製品のなかで、とくに苦労したラインナップを伺ってみました。

渡「僕が携わったなかで、2017年にバージョンアップして発売した『デイライト』という商品があります。これはちょっと珍しい、髪の日焼け止め=UVケアに特化した夏用の商品です」

渡「髪の毛って、黒や茶色などさまざまな色をしていますが、その色の元はメラニン色素なんです。メラニン色素、お肌の紫外線ケアの領域では良く知られていますよね。

だから、メラニンが紫外線を吸収してくれて、髪の内部や地肌を守ってくれているってずっと言われていたんです。それが常識だった。でも調べてみると、紫外線を受けた髪の毛は中心部近くまでダメージが進んでいたんです。これまで大丈夫だと言われていた常識を覆すこの発見を、どうやったら受け入れてもらえるか? と、試行錯誤しました」

SPring-8を使って分析をし、さらに新しい測定方法を編み出し、数値化して証明できるところまで持っていったんだそう。

渡「かなり苦労して、髪の内側も外側も両方、紫外線から守れる製品が作れたんです。デイライトの成分は紫外線によってダメージを受ける毛髪内部のタンパク質を保護してくれる、お守りのような成分です。

これは独自に生み出した新規性の高い日焼け止め理論で、他のミルボンの製品にも応用されている技術です。めちゃくちゃ頑張った商品で、自信があります!」

いつものシャンプーとトリートメントにプラスして使えるうえ、夏のあいだにこれを使っておけば、夏のダメージが秋冬まで響きにくいんだそう。ちなみに、前回の記事に登場した研究開発の森崎さんもデイライトを愛用中。スタッフ人気も高いです。

渡「僕が周りに熱く語るもんだから、スタッフもそうだし、僕の友達はみんな使ってくれていますね(笑)」

時代と悩みを、先端テクノロジーで追究し続ける

渡「病気の種類に終わりがないのと同じように、髪や地肌の悩みも、解決しきったと思ったら新しい悩みが出てきたりして。マーケットが広がると製品も増えますよね。

例えば日本は少子高齢化なので、一番大きなマーケットの年齢層は少しずつ上がっていきますし、今ブリーチが流行っているように、大多数がもつ悩みも変わっていくんです。なので、どんどん変化していく悩みを先端テクノロジーで追究し続けていくことが、オージュアの使命だと思っています」

5年前の最先端は今の常識で、みんなが当たり前に実現できるようになっています。常に最先端であるために、工業技術を応用してみるとか、医療現場の技術を参考にしたりとか。アンテナを張っていることが大事なんだそう。

鈴「リリースした当初は基本的な悩みに合わせた製品中心でしたが、2019年発売の『ディオーラム』や『リペアリティ』あたりから、時代の変化やヘアデザインの流行に関する悩みに対応するラインも増えてきました」

あらゆる髪と地肌の悩みに対応してきたオージュア。研究テーマもそろそろネタ切れじゃないかと常に思いながらも、切れることはないと話します。

変化する時代とともに鈴田さん渡邉さんをはじめとする基礎研究員も、変化、いや進化しながら、悩み解決に向き合っていくのでしょう。

第一弾「オージュアが積み重ねた13年間。愛される製品開発の裏側と思想」はこちら
第三弾「“使うと人に会いたくなるシャンプー” 10年近く使い続ける愛用者が生まれるオージュアの魅力とは」はこちら

取材・執筆 : 古矢美歌 写真:ミネシンゴ

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