PICK UP LADY

SCANDAL RINA 担当美容師対談
ステージで一番カッコいい自分でいること

ニュースサイト・ナタリーとFind Your Beauty MAGAZINEによる連載企画第4回では、ガールズロックバンドSCANDALのドラマーRINAと、デビュー当初からRINAが通う美容室ORCHESTRAのヘアデザイナー小幡茂雄による対談をお届けする。人一倍ビジュアルに対してこだわりの強いRINAと、そのRINAの理想のヘアスタイルを作り続け、ストイックに新しい提案もし続ける小幡による対談を楽しんでほしい。

手が込んで見えるアレンジを簡単に

デートヘアアレンジの創り方はYoutubeで!↓↓↓

──ヘアアレンジのテーマを教えて下さい。

小幡茂雄 今回のテーマはデートヘアですね。男性から見て「こんな髪型でデートに来てくれたらいつもより気合いが入っているように感じるな」と思う髪型を考えました。ちょっとやりすぎに見えるかもしれないですが、男性は単純なので、目に見えて手の込んだことをしたときほどうれしく思えるんですよ。彼女が早起きしてやってきてくれたっていうことがうれしいんです。

RINA デートのときにこんなにがんばってもいいんだって初めて知りました。がんばってやって、会ったときにそこに気付いてくれたらうれしいですよね。

──RINAさんは今回のアレンジを自分でもできそうですか?

RINA そうですね。こんなに凝ってるのに20分くらいでアレンジもできて、これくらいならちょっと早起きすればできるかなと思って。ラフにアレンジしてスカーフを巻くだけでこんなにかわいくなるんだって驚きました。

小幡 今回は読者の皆さんもマネしやすいように100円均一ショップでヘアピンなどをそろえました。今は100均でもかわいいヘアアクセサリーを売ってますし、いろいろアレンジを試せますよ。ちなみにRINAちゃんは編み込みってできる?

RINA できないんですよ。

小幡 やっぱりそうか。編み込みって意外とハードルが高いんですよね。だから今回は簡単にできるように、編み込みじゃなくて2本の毛束をねじって作るスタイルにしました。

RINA 編み込みは難しいけど、これだったらすぐにマネできそうです。

求められる美容師とは?

──お二人はいつ頃出会ったんですか?

RINA デビューしてすぐ友達にこのサロンを紹介してもらったので、7、8年前ですかね。それからずっと小幡さんに担当してもらってます。もう付き合いが長いので、小幡さんはニュアンスを伝えただけで私がイメージしたカラーを作ってくれるんです。逆に小幡さんからの提案もたくさんあって、長い付き合いだからこそのコミュニケーションもありますね。

小幡 俳優さんや女優さんはナチュラルな髪色や髪型の方が多いんですけど、アーティストはリリースがあるごとに髪色を変える人がいて。カラーにダメージは付き物なので、極力髪にと負担をかけないように心がけていますね。髪は一生付き合っていくものなので、ダメージを与えずに次のヘアスタイルのことも考えることを大事にしています。女性はやっぱり髪がきれいに越したことはないんですよね。いろんな職業がありますけど、どんな職業でも皆さん1人の女性なので。

RINA 小幡さんはダメージをあまり出さずに思い通りのカラーを叶えてくれるんですよ。今のカラーもブリーチなしでこんな鮮やかな色にしてもらって。なかなかこういうことができる美容師さんはいないと思います。

小幡 例えば「この色にしたい」ってお客様に言われて、その色にできる美容師はたくさんいるんです。だけどその色にするためにはいろんな方法があって、その中で一番ダメージを与えない方法を選ぶことが大事だと思うんですよね。一度施術の仕方や薬剤の設定によって壊れてしまった髪を修復するのは非常に難しいですから。求められる美容師になるには、そういうところも意識すべきだと思っています。

美容室で生まれる歌詞もある

──美容室にいるとき、RINAさんは何をしてることが多いですか?

RINA 雑誌を読んでたり、小幡さんとしゃべってたり……あとは歌詞を書くこともありますね。ORCHESTRAで思いついた言葉をスマホにメモしてそれが実際に歌詞になることもあります。最新配信シングルの「恋するユニバース」のDメロの歌詞はここで整えました。小幡さんはRINAが携帯を触り出したら、作業してると察してそっとしておいてくれるので、いつも1人の空間をゆっくり過ごさせてもらってます。

小幡 RINAちゃんはお仕事の合間を縫って来てくれるので、いつも疲れてると思いますし、もしかしたら具合が悪いかもしれない。だから彼女がどんな状態なのか、買ってきたドリンクとかを参考にして考えてから施術に入るようにしています。RINAちゃんはORCHESTRAに通っていることをSNSで発信してくれているので、ファンの方がお店に来てくださることもあって。ファンの方がRINAちゃんがいるときに来店すると、RINAちゃんはそのファンの方とお話ししてるんですよ。それを見ていて僕は気を遣わせてしまっていないかなと最初は心配していたんですけど、自然に体の向きや距離感、話し方、そういった細かいところを考えてファンの方に接してくれているのがわかって。本当に素晴らしいなと思いますね。

RINA 髪の毛を全部まとめてラップを巻いて眉毛を染めてるようなときにファンの方に「RINAちゃん好きです」って言われることもあるんです(笑)。「こんな姿でごめんね」って思いつつ、会えたのはそういうタイミングだったからだし、楽しんでもらいたいなって。SNSで調べて同じ人にやってもらいたいっていう気持ちで、自分のお金を使って自分の時間を割いて来ているわけじゃないですか。私と同じようなヘアスタイルにしたいって、ライブとか私の活動を見て思ってくれることがすごくうれしいんですよね。それは私たちのことを見て楽器を始めるのと同じくらいのエネルギーを使っていると思うし。ファンの子みんなが本当にかわいいんですよ。同じ服を買って、同じヘアスタイルにして、同じメイクをしてくれて。学生だから髪を染めることができない子も、RINAと同じように前髪巻きたいって小幡さんにリクエストをして、同じように前髪を巻いてうれしそうに帰っているのを見たとき、私は何もしてないけどすごくうれしい気持ちになりました。

ステージでの姿を考えた提案

──音楽ナタリーのインタビューで、RINAさんが気に入った紫のカラーにするためにものすごく時間がかかったとおっしゃっていました。

RINA あれめっちゃ大変やったね(笑)。

小幡 RINAちゃんのイメージに合う紫ってどういうものなんだろうって考えて、最初は柔らかく淡く見えるような、白が混ざったカラーにしようと思ったんです。でもそうすると中途半端な感じになっちゃって。

RINA 2回くらいブリーチしたよね。で、2回くらい色を入れ直して。

小幡 なかなか思った色にならなかったんだよね。今だから言える話ですけど、紫ってそもそもそんなに需要があるわけじゃないから何回も染めているうちに薬剤がなくなっちゃったんです。それで近くのドラッグストアとかを探し回って紫を買い集めて(笑)。

RINA アシスタントさんが髪を洗ってくれて、セット面に来たら小幡さんがたくさんのカラー剤を買ってきていてびっくりしました。

小幡 結局気に入る色になったのは夜中の3時頃で。RINAちゃんは「遅くまで付き合ってもらって申し訳ない」って言ってましたけど、逆に謝るのは僕のほうです。RINAちゃんは昔から美意識が高くて「私はこだわりが強くて要望が多い」って言うんですけど、僕らからするとそれがありがたいんですよ。お客様やRINAちゃんのリクエストに応えることで成長させてもらえるので。RINAちゃんってヘアチェンジする前に必ず「次はこういうふうにしようと思うんだけど」って相談してくれるんです。それを受けて僕はRINAちゃんが来店する前にアイデアを考えて、新しいものを提案することができるのでありがたいですね。そういうやりとりがRINAちゃん以外ともできるようになるといいなと思います。

RINA 小幡さんはSCANDALのライブを観に来てくれたり、こまめにSNSや出演するテレビ番組をチェックしてくれてるんですよ。それで「照明が当たったらこういう赤のほうがいいね」とかいろいろ意見をくれるんです。

小幡 ウザいって思われてないかなってたまに心配になります(笑)。でも、まめに連絡することには理由があって、 RINAちゃんはとにかくファン思いなんですよ。第一に自分の容姿と言うよりもファンのことを考えて自分のビジュアルを作っていて。だからRINAちゃんのリクエストに答えたいと言うより、SCANDALのファンの方の期待に応えられるように仕事をしている意識がありますね。

RINA 小幡さんはSCANDALのRINAを作るチームの一員ですよね。私がした注文に全部イエスの返事をするわけじゃなくて、ちゃんと別の提案だったりアイデアをくれたりするから。美容室に来るのが面白いと思えるし、すごく信頼できます。

美容室では新しい自分に出会える

──小幡さんはSCANDALのライブでRINAさんのどんなところを観ているんですか?

小幡 やっぱり髪型ですよね。あとは仕草も見るようにしています。ドラマーって頭を振ったり髪を触ったりすることが多いんですよ。だからそのときに髪の毛がどう動くかをじっくり見ています。それで新しいアイデアが浮かぶこともたくさんありますね。

RINA 今年の夏はわりとベージュくらいの明るいカラーにしていたんですけど、野外フェスだと自然光で髪色が飛んじゃって。それを見た小幡さんは「ハイライトを仕込んだほうが動きが立体的に見えるよ」って提案してくれたんです。それでハイライトを入れてみたらやっぱり全然違うんですよね。ライブ写真を見たときに実感しました。ハイライトを入れたことでより束感がわかりやすくなったり、切りっぱなしの毛先が動くとすごくきれいに見えたり。そういうのって自分じゃ気付けないことも多いから、ありがたいですよね。小幡さんは渋谷のど真ん中の美容室でずっと美容師さんとしてずっと働いているからこそのセンスや知識があると思うんです。その場できれいだったらOKっていう意識じゃなくて、“創ってる”感じがすごくあってすごくクリエイティブな美容師さんだなって思います。これからもずっと小幡さんに私の髪をお任せしたいです。

──そういういうパートナーと早い段階で出会えたのはRINAさんにとってラッキーでしたね。

RINA 本当にそうだと思います。他人に自分の見た目について言われる機会ってあまりないと思うんですよね。ステージに立つ仕事をしていない限り。だからこうやっていろいろ提案してくれる美容師さんがいると、ステージに立つ仕事をしていない人も自分じゃわからない新しい自分に出会えると思います。美容室はそういう場所ですよね。

「デートヘア」にアレンジ!RINAちゃんと小幡さんの対談映像はYoutubeで!↓↓↓

音楽ナタリーサイトのRINAさんの”髪”をテーマにした単独インタビューはこちら↓↓↓↓

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