SALON MODEL

25歳で地元・宮城から上京。自分らしさを忘れないサロンモデルの夢|もしもサロンモデルが居なかったら

Coupe presents
連載

サロンモデル、通称サロモ。美容師と作品づくりをするパートナーとして、必要不可欠な存在だ。多くのサロモが所属する『Coupe』には、経歴、職種、十人十色の人生観をもったサロモたちがいる

「後悔する人生は送りたくなかった。」

とびきりキュートな笑顔が魅力の菅明日香さん。25歳になる2017年春、宮城から上京し、本格的にサロモをはじめたばかりだ。

「昔からモデルの仕事には興味があったんです。でも東京に出たこともなかったし、『わたしにはきっと無理』と思って、なかなか行動に移せませんでした」

元々は仙台の短大を出てから、アパレル販売員の仕事をしていた。働いて4年も経つと、結婚や出産という新しい人生のステップを踏み出す友だちが増えてくる。そんなときにふと「わたしはこれからどういう風に生きていきたいんだろう?」と考えたそう。

何をしたいのかを真剣に考えたとき、頭に浮かんだのは、仙台ですでにはじめていたサロモのことだった。

「ご縁があって、販売員の仕事の合間で月に何度か、サロモをしていました。はじめての撮影のときは、見よう見まねでポーズをとって。それなのに『なんでこんなにポージングできるの? 本当に今までやったことないの?』と美容師さんに驚かれたのが、なんだかうれしかったんです。みんなで力を合わせて作品を作ることのたのしさも知りましたし」

菅さんは高校の卒業旅行から帰ってきた日の朝、東日本大震災を経験している。さいわい自分の家族は無事だったものの、周りには家族を亡くした人も少なからずいた。

「自分のことも含めて、人のいのちはいつ終わるかわからないと実感しました。一度しかない人生だから、今できることは本気でがんばりたい。前に、どういう自分になりたくないかと考えたこともあったんですけど、わたしの場合は『後悔だけはしたくない』。『あのとき、ああしとけばよかった』と後でウジウジ悩むくらいなら、挑戦する方を選ぼうと思って」

上京の決意を話したとき、家族も友だちも「応援する」と言ってくれたそう。でもお父さんはやっぱり大事な娘が心配のようで、「3日に一度は電話がかかってきます」と菅さんははにかんだように笑う。

はじめは事務所への所属を考えていたが、モデルの知り合いから『Coupe』をおすすめされた。上京してすぐに面接を受け、みごと合格。以来、サロモ仕事中心の日々を送る。

『Coupe』の社長は「菅さんのプロ意識はハンパじゃない」と太鼓判を押す。普段から、いい仕事をするための準備を怠らないという。

「しょっちゅうInstagramを見て、ポージングとか、今はやりのメイクやファッションを研究しています。それと洋服は撮影に使うことも多いので、進んで買うようにしていますね。あと撮影前日には、顔がむくまないよう、水分と塩分はなるべく摂らないようにしたり。ネイルをきれいに塗り直したり、ときどきは髪を染め直すこともあります」

サロモが商品をリポートする動画の仕事をしたときは、みずから商品の下調べをし、場合によって何をどう話すか、プランA、プランBと考えたそう。菅さんが担当した分は当日、なんと完売に。

ちなみにこの記事の取材のときも、事前に話したいことを考えてメモ帳に箇条書きで書いてきてくれていた。後から後悔するくらいなら、できる準備は全てする。どこまでも真面目な人だ。

撮影現場では美容師さんに質問するなど、自分からコミュニケーションをとるように心がけているそう。そうすると場が和むから。「尊敬する美容師さんの役に立ちたい」という思いがつよいのだ。

「撮影の前日に依頼が来ることもまれにあります。でも美容師さんはきっと元々のサロモが急に来られなくなってしまったとかで困っているはず。そう思うとどんなに急でも、できるだけ行ってあげたいと思うんです」

ひとつひとつの現場に本気で向き合う中で、美容師さんから「ファンになりました」とうれしい言葉をもらうことも。繰り返し声をかけてくれるサロンも増えている。

そのガーリーな見た目からは想像もつかないけれど「実は熱血な性格です」と菅さん。

「高校ではバレーボール部のキャプテンだったんです。顧問の先生はいましたが、技術的なことを教えてくれるコーチがいなくて、自分たちで練習メニューを考えたし後輩にもけっこうビシバシ教えていました(笑)。あと短大のゼミでは、課題として作ったフリーペーパーの編集長もしましたね」

部長、編集長と周りをまとめる立場にいた菅さんだが、人から新しいことを教わるのもたのしくてしょうがないと言う。『Coupe』社長からもサロモをやっていく上でのアドバイスがほしくて、自分から「今度ランチに行きましょう!」と誘う。社長いわく、菅さんほど素直でコミュニケーション力の高いサロモはなかなかいないそうだ。

「上京後にできた、あたらしい夢。」

菅さんは読書が好きで、「本屋に行くと必ずビジネス書や自己啓発本のコーナーに行きます」。

自分にない新しい考え方を知りたくて、松下幸之助の本から人気の恋愛エッセイまで、ノンフィクションを中心にさまざまな本を読んできたそう。

「特に印象に残っている本は、学生のときに読んだ『筆談ホステス』です。『難題の無い人生は、無難な人生。難題の有る人生は、有難い人生。』というフレーズに感動してしまって。今でも励まされる言葉です」

読んできた本の影響なのだろうか。基本的にポジティブな性格で、あまり悩まないという。

「撮影の仕事で、もし自分の力不足で納得のいく作品にならなかったとしても、落ち込むよりは、どこがいけなかったのかを反省し、次の仕事に生かします。なるようにしかならないですから。イライラすること? うーん、ほぼないかも……」

リーダータイプの楽天家で、そこはかとなく大物感のある菅さん。今後の目標を聞いてみると『Coupe』サロモとしてより成長したいのはもちろんのこと、こんな力づよい答えが。

「『王様のブランチ』のリポーターになりたいです! 動画でリポートする仕事をしたとき、話や表情の動きで表現ができるところに手応えを感じて、もっとやってみたくなったんです。でも実は経営にも興味があります。PDCA(※事業活動で生産管理などの管理業務を円滑に進める手法)回しながら最強のタレントになるのが夢、とか言って(笑)」

パワフルな菅さんにとって、あこがれの女性像は女優の石原さとみさん。外見だけでなく、内面も磨かれているのがわかるところが素敵だからだ。

「いつかママになっても、仕事をして輝いていたいと思っています。笑顔を大事にして、見ているみなさんを励ませるような人になりたいです」

上京して半年が過ぎた。大きな夢のため、そして支えてくれる家族や周りの人のために、菅さんは今日も東京で全身全霊、めいっぱいたのしんでサロモをしている。

photo/hair&make 水出秀敏(SPICE AVEDA salon&spa Tamagawa)

この記事を読んで、サロンモデルにチャレンジしたいと思ったら、Coupeへ応募してほしい。


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写真:ミネシンゴ
取材・執筆 川口ミリ

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