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サロン直後の美しいヘアカラーを長く楽しむ!色落ちを抑える正しいアフターケアとは?〈ミルボン実験室④〉

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カラーリングにつきもののお悩み「色落ち」

気軽に自分のなりたいイメージに近づけたり、個性を出したりできるヘアカラー。カラー直後は髪が美しくなるものの、時間がたつと染料が抜け、色が変わってしまう…カラーを楽しみながらも、そんなお悩みを抱えている人は多いのでは?

髪色が変化していく過程も楽しみのひとつともいえますが、サロン帰りのベストな状態をできる限り長く保ちたい!という人も多いはず。
今回は、きれいなヘアカラーを長く楽しむ為の日々のちょっとした工夫をご紹介。色落ちのメカニズムを学び、正しいケアを実践していきましょう!

小さな心がけでカラーの持ちが変わる!

ミルボン 研究開発 A.Tさん

美容師さんの高い技術と適切な薬剤選定によってもたらされるサロンでのカラーデザインは美しく、ベストな状態といえます。その状態をキープするために肝心なのが、自宅に帰ってからのセルフケア。
日々のちょっとした工夫で美しいサロンカラーをより長く楽しむには、どうすればいいのでしょうか?ヘアカラーの研究者に聞いてみました!

そもそも色落ちのメカニズムは?

ヘアカラー後の色落ちのメカニズム(イメージ)

染めた直後の色味が失われてしまう要因は、毛髪内の染料が壊れてしまったり、毛髪の外に抜けてしまったりすること

ヘアカラーをした際、染料が毛髪の中に入り込んで居座ってくれているのがいわゆる“染まっている”状態です。一般的にヘアカラーは“アルカリカラー”という種類のものを指すことが多いのですが、 アルカリカラーは、元々は色のついていない小さな染料同士が、化学反応して発色するというメカニズムです。
熱や日光などのエネルギーが加わることで、反応した染料は壊れてしまうことがあります。また、日々の洗髪によって、毛髪の中に入って居座ってくれていた染料は毛髪の外に出てしまいます。このような私たちの日々の生活の色々な要因が、色落ちに繋がってしまうんです。

そこで今回は、色落ちを招いてしまいそうなさまざまな項目について実験してみました!


1. 日々の洗髪…「お湯の温度」で色落ちは変わる?

色落ちに関係しそうな項目として、よく挙げられるのが日々の洗髪。
対策としては褪色ケアできるシャンプーを使う、色素入りのカラーシャンプー、カラートリートメントでケアするなどの方法もありますが、実はちょっとした工夫でも色落ちを抑えることができるんだとか。

染料は少なからず水に溶ける性質があり、水の温度が高い時、染料はより溶けやすくなります。また、水の温度が高いほど毛髪は膨潤し、染料が毛髪の外に溶け出しやすくなることから、熱いお湯ではより色落ちが進んでしまうと考えられます。

■38℃ vs 42℃の色落ち比較

〈実験結果〉
38℃(左)と42℃(右)のお湯に毛束を浸して2時間振とうした際の褪色の違い

42℃の方で色落ちがより進み、色が明るくなってしまう結果に。日々の洗髪によって毛髪内の染料は水に溶けだし、毛髪の外に流出してしまっているんですね。水の温度が高いほど染料は溶けだしやすくなるので、シャワーは 38℃程度のできるだけ低い温度設定にするのがおすすめです。


2. 気になる紫外線の影響は?

近頃では、肌だけでなく髪の紫外線対策も重要!という意識が広まっているよう。UVカットアイテムとしては、帽子や日傘の他に、髪や頭皮に使える日焼け止めも増えましたね。紫外線は髪や頭皮にダメージを与えるだけでなく、カラーの色落ちにも関係するそうで…

先程もお伝えした通り、毛髪を染めている染料はもともと色のない染料が化学的に結びつくことで発色しています。ところが、紫外線のような光エネルギーが外部から加えられると、色づいていた染料が壊れ、染めた直後の色が失われて色落ちしてしまいます。

■日光による色落ち

〈実験のイメージ〉
ヘアカラーをしたマネキンの頭部半分をUVカット生地で覆い、
もう一方は何も被せず、5日間日当たりのよい屋外に置き、日光にさらした
〈実験結果〉
UVカット生地あり(左)となし(右)で5日間屋外に置いた際の褪色の違い

日光を浴びただけで色落ちが進んでいることがわかります。
外出時には、紫外線はできるだけカットすることが 色落ちの抑制にも効果的!


3. 熱の影響も…ヘアアイロンの設定温度による違いは?

紫外線と同様に、熱も色落ちに影響を与えます。

〈実験結果〉
160℃(左)と180℃(右)の温度で設定したヘアアイロンで5秒間挟んだ際の褪色の違い

160℃のヘアアイロンと180℃のヘアアイロンを繰り返し使ったときを比べてみると、20℃違うだけで、色落ちの度合いも大きく変わることがわかります。

ヘアアイロンでスタイリングをするときは、できる限り低い温度に設定しましょう。
低温のヘアアイロンでもキレイにスタイリングできるようなアイテムを使用するのもおすすめです。

染めた色味や髪質別で、気を付けるべきポイントは?

染料の種類によって、お湯や日光、熱のうちどの要因によって色落ちしやすいのかある程度の傾向はあるのですが、カラー剤は複雑に染料を組み合わせて作っているので、一概にこの色がどうだと断定はできません。ただ、美容師さんからは、暖色系(ピンクなど)は日々の洗髪で抜けやすく、寒色系(アッシュなど)は紫外線やヘアアイロンで色落ちしやすいように感じる、と言われることが多いです。

自分のカラーに合わせて、強化するケアのポイントをつくってみるのもいいかもしれませんね。では、染料が抜けやすい人や髪質といった傾向はあるのでしょうか。

ダメージがある髪の毛ほど、色落ちが進みやすいと言われています。なので、サロントリートメントやご自宅でのトリートメントなど、ダメージケアを適切に行っていただくことで、色持ちアップも期待できますね。美容師さんに、ご自身に合ったヘアケア方法を相談してみてください。

カラーアフターケア まとめ

色落ちを抑えるために…
☑シャワーのお湯は38℃など、できるだけ低温にしましょう。
☑UVカットができる帽子や毛髪のUVケア製品を使用し、UVをできるだけカットしましょう。
☑ヘアアイロンは160℃など、できるだけ低い温度で。
☑ヘアカラーの色味や髪のダメージ状態を美容師さんに相談し、効果的な色落ちケア・ダメージケアを選びましょう。

毛髪が濡れている状態が長いほど染料が抜け出す時間も長くなってしまうので、お風呂で湯船につかるときは、髪の毛をタオルでまとめておくなど、お湯に長時間髪の毛を浸し続けない工夫をするのもよいですね。
僕もハイトーンでカラーをしているのですが、髪が濡れた状態で紫外線を浴び続ける海水浴ではガツンと色落ちしてしまった経験があります。髪が濡れないように束ねたり、帽子をかぶったりすることで、できる限り髪を保護する対策をして楽しみたいですね。

チリも積もればで、やりやすいところからコツコツ実践していただくのが1ヶ月後のキレイに繋がります!

日々のちょっとした工夫で、色落ちを防ぐことができるんですね。色落ちのメカニズムを知り、行動を変えるだけでもカラーを長持ちさせることができます。

カラー後は正しいケアをして、サロン帰りの美しい髪色を保ちましょう!

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