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濡れたまま寝るのはNG?髪や頭皮への影響と、ドライタイムを快適にするコツとは 〈ミルボン実験室③〉
日々の美容習慣として定着している洗髪。髪を洗った後は、ドライヤーで髪を乾かす作業もセットで付いてくるため、時間もかかる上に、夏は暑くて、なかなか面倒…。疲れていると、ついつい髪を乾かさずに寝てしまう方もいるのではないでしょうか。
ミルボンの調査では、洗髪後に毎回ドライヤーを使用される方が8割以上。また、髪の長さや使用しているドライヤーにもよりますが、日々のドライヤーにかかっている時間は平均的には5分から10分ほど。そして、多くの方が「ドライヤー時間を短くしたい!」と、なにかしらのストレスを抱えている様子でした。
かくいう私も、ドライヤーが心底面倒だと思っているうちの1人です。
そこで本記事では、「髪の毛が濡れたまま寝るのはどうしてダメなの?」という疑問や、ドライタイムを少しでも快適にするコツについて、研究員のM.F.さんにお話を伺ってきました。
そもそも、濡れた髪と乾いた髪は何が違うの?
濡れた髪と乾いた髪では、髪の強度や柔らかさが異なります。理由は髪の中にある結合の状態の違いです。
髪の大部分はタンパク質からつくられており、このタンパク質は様々な結合によってつなげられて形を保っています。そのうち、水素結合という結合は、水によって切断され、乾燥させることで再結合する性質をもっています。
濡れた髪は水素結合が切れている状態、乾いている髪は水素結合がつくられている状態です。この結合の状態が関係して、濡れている髪と乾いている髪では、髪の強度や柔らかさが異なります。これらが、この後ご紹介する「髪が濡れたまま寝てはいけない理由」とも関連してきます。
濡れたまま寝るのはなぜNG?3つの理由
「濡れたまま寝るのがNG」と言われる理由を、大きく分けて3つご紹介します。
1. 濡れている髪は繊細で傷みやすい
先程お伝えした通り、濡れた髪は水素結合が切れている状態。そのため、乾いている髪に比べて、髪の毛が柔らかく、繊維としての強度が6〜7割程度まで落ちてしまいます。同時に、キューティクルがめくれやすい状態のため、ダメージしやすくなってしまうのです。
実際に、乾いた状態と濡れた状態での傷みやすさに違いがあるのか、実験をしてみました。
実験結果からもわかる通り、髪の毛は濡れている方が弱くなってしまうんですね。
このように濡れた状態の髪は繊細ですから、髪の毛が濡れた状態で寝てしまうと、ダメージを受けやすいと言えます。繰り返していくと、髪表面のキューティクルがめくれたり、剥がれ落ちたりすることも。すると、髪の内部のタンパク質や、カラー後の染料などの大事な成分が外に流れ出ていきやすくなるのです。
結果として、枝毛、切毛、褪色など、髪の毛の「見た目」にも影響が出てくる可能性があります。
2. 寝ぐせがつきやすい
実感している方も多そうなのが、寝ぐせへの影響。これにも、水素結合が関係しているのだそう。
濡れた髪が乾いていく過程で水素結合がつくられ、髪の毛のかたちが決まります。水素結合は、毎回同じところで結合するわけではありません。だからこそ、髪をきちんとドライヤーで乾かすことで、水素結合の位置を定めて、ヘアスタイルを”一時セット”をすることができます。
濡れたまま寝てしまうと、頭と枕に挟まれた状態で徐々に髪が乾き、そのまま水素結合が作られ一時セットされます。すると朝には頑固な寝ぐせとなり、直す時は、一度髪を濡らして水素結合を切断してから、乾かして再結合させる作業が必要になってしまうんです。
逆を言えば、寝る前にしっかりと髪を乾かすことが、朝の寝ぐせ直しの時間短縮にも繋がりますね。
3. 頭皮トラブルに繋がる恐れもある
今の髪の毛の見た目に関わることだけでなく、濡れた髪のまま寝ることは、頭皮環境や未来の髪の毛にも影響がある可能性があります。例えば、洗濯物が生乾きだと臭くなる、という経験がある方も多いのではないでしょうか。一般的には濡れた状態の方が、細菌が繁殖しやすいと言われています。
そもそも腸内に菌がいるように、頭皮を含む肌表面にも皮膚常在菌と呼ばれる無数の菌が存在しており、頭皮環境を保つのには、これらの細菌が程よいバランスで存在することが大事。バランスが崩れてしまうと、ニオイや炎症の元になる可能性もあるそうです。
また、頭皮環境が崩れてしまうと、未来の髪の状態にも影響する可能性があるんだそう。
植物を育てるには土壌の状態が重要なように、健やかな髪を育むには頭皮環境を正常に保つことが大切です。炎症した頭皮からは健やかな髪が育まれにくいということが研究からわかっています。
未来の髪のためにも、きちんと乾かして寝る習慣がつけられるといいですよね。
ミルボン公式!おすすめの乾かし方
髪の毛を乾かすことが如何に大事か理解したところで、ミルボン公式、おすすめの髪の乾かし方をご紹介します。
1. 乾かすのは、根元から
2. 前髪を乾かす
3. えりあし根元を乾かす
4. 耳周り根元を乾かす
5. 後頭部根元を乾かす
6. トップ根元を乾かす
7. 全体の中間〜毛先にかけて乾かす
8. 最後に冷風を当てる
より快適に、キレイに乾かしたい人向け!+αのおすすめアイテム
すでに毎日ドライヤーをしっかりしているけれど、ドライタイムをより快適にしたい方へ。
シーン別に+αで取り入れたい、研究員おすすめのアイテムをご紹介します。
・手早くキレイに乾かしたい方に!おすすめヘアオイル
髪質にあった洗い流さないトリートメントを使うことで、乾かす際の指の引っ掛かりを防ぎ、ドライタイムをより快適にすることができます。
わたしのおすすめは、根元から使えるヘアオイル。ドライヤーで乾かす際、根元からスムーズに手ぐしを通せるようになると、手早くキレイに乾かせますよ。
また、特にブリーチをしている方は、髪がより繊細な状態。少しの力で引っ張るだけで髪がうねってしまうほか、ダメージによって髪が水となじみやすくなるため、濡れている状態では髪同士が水でくっついてしまい、より乾かしにくい状態に。
そんなブリーチヘアは、できる限り引っ張らず「ノンテンション」で乾かすのがおすすめ。
うねりやすいブリーチヘアをキレイに整えてくれるアイテムもあります。
・特に夏におすすめ!暑い時に使いたいアイテム
ドライヤーが暑くて汗ばんでしまう!という方は、ひんやりアイテムを取り入れてみては?
わたし自身、毎日愛用しているのが、清涼成分であるメントールが配合された頭皮用美容液です。ドライヤー前に頭皮に塗布すると、乾かしている間もメントールのひんやり感が続いてスッキリします。
お風呂場で使えるひんやりアイテムとしては、冷たい泡で出てくるシャンプーもありますよ。
・ドライタイムを、自分を労るケアの時間に
スキンケアや、お風呂場でのヘアケアも、好きなアイテムを使ってケアすることでときめいたり、癒しの時間になったりしますよね。同じように自分の髪にあったお気に入りのドライヤーを使えば、髪を乾かす時間も自分を労る時間に変わって、より快適に楽しめるんじゃないかな、と思っています。
髪を健やかに保ち続けるために、ドライヤーを。
現在の髪や頭皮、そして未来の髪を健やかに、美しく保つためには、洗髪後はきちんと髪を乾かすことが重要です。正しいドライヤーの方法や、自分好みのアイテムを取り入れて、ドライタイムを楽しんでみてはいかがですか?
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