LAB

「冬はかたく、夏はゆるい」を覆す!ミルボンが開発した新しい”バーム”の仕組み

LAB | 2020.10.08

SHARE

こんにちは! ライターのゆぴ(17)です。

本記事は、科学に関して「水兵リーベ僕の船」あたりで止まっている私が、ミルボンの専門性が高い技術や知識のお話を、美しい髪を目指す読者さまに向けてわかりやす〜く噛み砕いていくものとなっております。

今回は「バーム」のお話。バームと言えば、ヘアスタイリングのために使うことが多いですが、冬はカチコチで使いづらかったり、夏はオイリーでベタついたり、少し厄介なアイテムですよね。

今回はミルボンが開発した、温度によって形状が変化しない革新的な研究技術について、お話を聞いてきました!

「冬はかたく、夏はゆるい」バームの課題

井口 ゆぴさんは「バーム」を使ったことはありますか?

ゆぴ あー! あります。あの固いワックスのような。すごく流行っていましたよね。あれってどうしてあんなに流行っていたんですか?

井口 バームはもともと海外から入ってきて、美容感度の高い人に支持を受けていました。理由のひとつは、保湿感があってツヤも出やすく、毛先のパサつきなどを抑えながら束が作れるので、当時世間に求められていた質感に合っていたことです。

ふたつめは、天然由来の成分を使っているものが多く、オーガニックやナチュラルなイメージがあったことです。一時期の豪華なデザインや派手に盛ったのがオシャレ、という考え方から、今は自然体で、ありのままの素材を活かして、抜け感を出すのがオシャレ、というふうにシフトしていきましたよね。

ゆぴ たしかに。ちょうど「バーム」が流行り出した時期は、世間の「オシャレ」のイメージが変わっていっていたときでもあったんですね。

井口 そう。そこで、ミルボンとしてもお客さんに喜ばれるバームを作ろうと舵を切ったんです。

ただ、バームを作るにあたって、ずっと気になっていた点がありました。それは、冬場に使おうとするとかたくなっていて、爪で擦ると爪のあいだに入ってしまったり、夏場は溶けて缶の縁にベッタリついてしまったりすること。夏の暑さと冬の寒さで質感が変化してしまうことが、お客さんにとって使いづらい問題だと思っていました。

ゆぴ わかります…。結局わたしも買ったバームが夏に溶けてしまって、捨てた覚えがあります。

井口 そこで今回は、「冬はかたく、夏はゆるい」という課題を乗り越えて、使いやすい状態でのびもよく、温度で変化しにくいシンプルに「使いやすいバーム」を作りたいと思い、着手しました。

「新しいバーム」はどんな仕組み?

井口 もともと世間にあるバームは、ミツロウやシアバターという成分を組み合わせて作っているものが多いんですけど、これは単純に一定の温度で溶けるものを、あたためて溶かし、それを冷やして固めているものなので、熱が加わると戻っちゃうし、寒いところに行くともっと固まってしまうんですね。

今回ミルボンでは、さまざまな植物から取れるロウ成分を検証したなかで、簡単に言えば、液体の状態を保ちつつ、液体のまわりに囲いを作ってくれる、ある植物由来のロウ成分を発見しました。

図で見ると、囲いが!

(左)模式図
(右)囲いができている様子(電子顕微鏡写真で1000倍拡大)

ゆぴ 本当だ、液体のなかにたくさんの囲いがありますね。

井口 70℃以上まで上げないと融けないロウが囲いをつくっているので、温度に対して強く、手で取って崩せばやわらかい。さらに、寒いところに持っていったとしても、すでに固まりきってるから、温度を下げてもこれ以上固まらずに使いやすい状態をキープしてくれるんです!

これは非常に新しく、今まで見られていなかったものだったんですよ。

井口 液体成分との相性も大事なので、その成分を何にするか、さらに囲いをする成分の配合量も少なかったらゆるく、多すぎたら固まってしまうので気をつけつつ、そしてどの成分だったらできるのかを細かく検証していき、囲いを見つけるだけに3か月間かかりました。

それを突き詰めた結果生まれたのが、ジェミールフランの「オイルスフレ」です。やわらかくて伸びが良いけれど、溶けないし固まらない。

ゆぴ まさに、理想的な質感ですよね。

井口 そうなんです! ここにたどり着くまでの道のりが本当に大変だったんです…。

研究結果とは裏腹に移りゆくトレンド

ゆぴ 一体何があったんですか?

井口 完全に内部事情なんですけど!(笑)「会社一丸となってバーム作ってこう!」と舵を切ったのは良いものの、美容産業のトレンドって半年から1年スパンですぐに変わるんですよ。

だから、僕らが一生懸命開発をしているあいだに、市場でバームに飽きが出てきて…。でも、研究者としてはせっかく成分が見つかったし、やりきりたい! という思いで気付いていないフリをしていたんですよ。そうしたら、開発プロジェクトのメンバーから「トレンドはもうバームじゃないから違うものを作って…」と言われてしまいました。衝撃でしたね(笑)。

ゆぴ 研究成果とは裏腹にスピーディに移りゆくトレンド…。切ないですね。

井口 研究としては成果があるのに、商品機能としては求められてない。それが難しかったですね。

そんなとき、市場ではオイル系が流行りはじめて、求められているスタイルに対して軽さが足りない、という課題が出てきたんですよ。

バームだけどバームじゃない。新感覚のアイテム

ゆぴ なるほど、バームのブームが去って、今度はオイルが登場したものの、また新たな課題が出てきたんですね。

井口 そうなんです。その悩みこそ、この技術を活用することで解決できるかも、と思ったのですが、バームって名前が付いているだけでもうトレンドとしては売っていけない。

では、この技術を使いながらバームを超えた新しい質感を感じてもらうにはどうしたらいいか、というのを改めて考えました。

ゆぴ バームだけど、バームじゃない。新しいですね。

井口 それを実現させるべく、私たちは今回の技術をさらに進化させました。それが、この秋発売される新ブランド『DOOR』の「シャイニースフレ」という新感覚バームです!

こってりした質感のバームと、あっさりとしたクリーム系のスタイリング剤の良いとこどりで、リッチな保湿感がありつつベタベタしない、今までの市場になかったスタイリング剤です。

新スタイリング剤ブランド『DOOR』から発売されている「シャイニースフレ」。
動きのある束感と”濡れすぎないツヤ感”を叶えてくれるスフレ触感のバームです。

ゆぴ それはめちゃくちゃ気になりますね…! 一体どのようにして技術を進化させたんですか?

井口 それは、この秋に学会発表をするのでお楽しみに。温度で変わらない「囲い」の技術を活かした新質感を、ぜひ体感してみてください!

お客さまにいつでも心地よく使って欲しいという想いから生まれた新しい技術。今までなかったような新質感のバームに、私も思わず触れてみたくなりました。

バームの技術を活かしながらバームでない化粧品を実現するための方法…。「シャイニースフレ」という新商品とともに、続報を心待ちにしたいと思います!

Find Your Beauty MAGAZINEの最新記事をお届けします

RECOMMENDED POSTS

FOLLOW US