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ひとり一人が今よりも輝くためにワークウェアをスタイリッシュに刷新

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“魅せる”を目指した工場増設ならばユニフォームも“魅せる”ものに!

2018年11月12日(月)、ミルボン本社にて新しいワークウェアのお披露目記者発表会が行われました。これは、企業ブランディングの強化を図るミルボンが、昨年に社内公募企画を募り、その中から選ばれたワークウェア刷新企画『デザインワークウェアプロジェクト』が形として実現したものです。

発案者は生産本部生産技術部技術開発グループID開発サブマネージャーの梅村究さん。
「6年前に研究部門から生産部門へと異動となり、三重県のゆめが丘工場勤務となりました。服は作業服です。正直、着替えたくありませんでした。営業部門というのは直接美容師さんと関わる仕事なのでオシャレな服装の人たちが多い。研究部門も徐々に美意識が高くなっている。生産部門だけは、作業最優先ということで作業服。高品質な製品を効率よく生産するのが目的ですので、当然といえば当然なのですが……。とはいえ、1年を通して一番長く着る服です。だからこそもっとオシャレにならないものか。内心、ずっと悶々としていました」

そんな梅村さんが企画案を提出する直接のきっかけとなったのが、生産能力の増強と、見学者やユーザーにより高い品質を感じて頂けるよう『魅せる』ことを目指した工場の増設でした。
「『魅せる工場』なのに作業服が変わらないままでいいわけがない。見学に来る人がオシャレな服だと感じられる、新しいワークウェアが必要だという思いが強くなりました」

社内公募には22の企画が出されました。その中から見事、梅村さんの案が選ばれたときはまさかと思ったそうです。

「実際のところ、自分の案が採用されるとは思っていなかったです。決定してからは、こういったプロジェクトをやったことがなかったので、どういうふうに進めていいのかまったく想像ができませんでした。ただ、今の作業服よりはモチベーションが上がって、作業性も良くなるようなものを作らなくちゃいけないという気持ちだけはありました」

右も左も分からない梅村さんが相談を持ち掛けたのが京都市立芸術大学。ミルボン製品のパッケージデザインを監修し、製品に対する思いや指針を知る、いわばパートナーともいえる存在です。ワークウェアのデザインを引き受けてくれたのは滝口洋子先生でした。
「大学としてもここまで本格的にやるのは初めてのこと。学生たちは特別アパレルを勉強しているわけではないので、ミルボンさんの要望を踏まえた上で、それをどう自分たちで表現していくのかが悩みどころでした」
具体的に動き出したのが春休みということで、学生の入れ替え時期と重なったり、個々の研究テーマがあったりなど、いくつのかの点で乗り越えなくてはならない壁があったと言います。

ストレッチ素材を適材適所に配した見事なカッティング

ワークウェアの素材選び、製作を担当したのは株式会社糸編の宮浦晋哉さん。職人さんとの繋がりが深く、繊維産業に精通していることから、今回のプロジェクトに招へいされました。

ミルボンがお願いした要望は、『汚れが目立ちにくい色であること。だけど、いかにも作業服という色は避けてほしい』『スタイリッシュなデザインであること』『ポケットの数や位置も気にしてほしい』ということでした。

素材選びに関して宮浦さんは、
「工場見学で作業員の方を見て、手を上げたり下げしたり、しゃがむような作業が多く見られたのでストレッチ素材は必須だと思いました。しかも毎日着て、ハードに洗っても耐えられる生地となると……。いろいろ考えた結果、ナイロンとポリウレタンをミックスした素材がいいだろうと判断しました。これなら伸縮性や耐久性もあります。この素材に辿り着くまで2カ月半くらいかかりましたね」
ただし、伸縮性が高いとその分、縫製が難しくなったり染めムラできたりと、製作により慎重さが求められる。しかも、ワークウェアすべてをその素材にするとなると費用が膨らんでしまうというデメリットもありました。それを解消したのがカッティングです。滝口先生は、
「ワークウェアの上着は、ハードに動かすひじ、脇腹、肩甲骨の部分にだけナイロンとポリウレタンのミックス素材を使用することにしました。だけどパンツは、ひざの曲げ伸ばしや、しゃがんだときのお尻の動きなどがあるため、すべてをその素材にする必要がありました」

もちろん、完成までには何度も打ち合わせが重ねられ、試行錯誤が繰り返されました。京都市立芸術大学の学生が作成したデザイン画は20を超え、縫製工場が変更されることもありました。そうして完成された2種類のウェアサンプルの中から、実際に着用する現場の人たちの投票で最終的な決定が行われました。

それが今回お披露目されたワークウェアです。

着心地や作業ストレスを考慮したディテールへのこだわり

上着は黒をベースとし、ブルーの切り返しでアクセントを作っています。黒いところは動きによる負荷が比較的少ない箇所で、100%ポリエステル製。ブルーはナイロンとポリウレタンのミックス素材でできており、動きの激しいひじ、脇腹、肩甲骨の部分に使用されています。

袖をまくったり、胸元のジッパーを下ろすと、内側からパープルの裏地が見える構造となっています。パープルはミルボンのコーポレートカラー。それを表側に使ってアピールするのではなく、あえて内側にしまい込みました。
「もともとの要望の中に『汚れが目立ちにくい色』ということがありましたので、パープルを表に出すのはやめようということになりました」
と滝口先生。とはいえ、企業のシンボリックカラーを使わないというのも、企業としての統一性がないということで裏地に採用したということです。

シッパーは金属ではなくプラスティック製。金属だと上げ下げするときにもたつくことがあり、ストレスにもなります。プラスティック製は滑りがいいので着替えるのがスムーズだと宮浦さんは言います。

胸ポケットの大きさはスマートフォンサイズ。左腕にはペンポケットもあります。胸に入ったシルバーラインもパープル同様、ミルボンのコーポレートカラー。ブラックとブルーという配色にあって、ワークウェアに軽さを引き出す役割を担っています。また、しゃがんだときに上着のすそが持ち上がり腰まわりからインナーが見えてしまわないように、丈を長めに設計しているという細かい配慮もあります。

細かいといえば、襟の有り無しについても検討項目でした。丸襟やスタンドカラーではカジュアル感が強い。企業ブランディングを構築するという意味において、オフィシャル感が表現できる襟ありデザインが採用されました。

素材の特徴が存分に発揮できるパンツは、ひざの曲げ伸ばしがスムーズで、使い続けてもよれにくいのが特徴。スタイリッシュなスマートシルエットが維持できます。素材の伸縮性に宮浦さんも自信を持っており、「ここまで伸びるワークウェアはなかなかないと思います」と語ってくれました。

12月から着用する新しいワークウェアは、トップダウンではなく、社員自らによる“働きやすさ改革”のひとつの形。ミルボンが今以上に成長し、美容室の良きパートナーとしてあり続けるためには、働く人たちの“働きがい”や“やる気”が結集できる企業でないといけないと、佐藤龍二社長がは語っています。

自分たちで働く環境を改善し、パフォーマンス向上へと繋げていくことこそが、ミルボンが考える企業ブランディング。
社員ひとり一人が主役となって活躍するという決意表明――。それが新しいワークウェアのお披露目記者発表会だったというわけです。

今回のワークウェアは秋冬もの。5月からは夏服バージョンも導入される予定です。

執筆:滝沢 ヤス英

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