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ミルボンのエルジューダが愛される理由。アウトバス開発の裏側と10アイテムの選び方

PRODUCT | 2021.02.12

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美容室専売品であるミルボン製品の中で、特に一般認知が高く、ファンが多いシリーズ。それがエルジューダ。

SNSでもエルジューダ関連の投稿は圧倒的にいいね数が多く、一般消費者のポジティブなコメントが並んでいる。

この記事では、エルジューダシリーズがどんなコンセプトを持って生まれ、どのように作られてきた製品なのかをご紹介。自分に合ったエルジューダを見つけるための、全10アイテムの比較も掲載した。

取材を通して見えたのは、ミルボンに根付いた実直な研究開発魂。愛される製品を生む舞台裏を、研究開発のマネージャーに直接伺った。


<プロフィール>

瀧野 雄介
入社16年目。研究開発グループ マネージャー。エルジューダをはじめとするヘアケア商品やスタイリング剤の研究開発を担当している。

“実感効果 ”を追求してきたエルジューダ

まずは単刀直入に、エルジューダがどんなブランドかを伺ってみた。

エルジューダは、洗い流さないヘアケア剤=アウトバストリートメントに特化したブランド。シリーズを通して、手で髪を触ったときの“実感効果” にとにかくこだわって作ってきました。試したらわかる圧倒的な使い心地と効果が、今たくさんの方に支持していただいている理由ではないかと思っています」

“アウトバストリートメント”って何?

ーそもそもなのですが、「アウトバストリートメント」について教えてください。

「アウトバスは、一般的にドライヤーで髪を乾かす 前の濡れた髪に使うトリートメントのことを指します。今市場にあるものは、オイルタイプミルクタイプの2つが多いです」


ーオイルとミルクの違い、それぞれの特長って何なんでしょうか?

オイルタイプは、さらっとした滑りを出すことが得意な剤質。髪にツヤを出すことにも優れているので、ツヤや指通りの良さが欲しい方に合っていると思います。ミルクタイプは、お風呂場で使用するトリートメントのような柔らかさと、オイルがもつ滑りの良さを併せ持つ剤質です。 髪に柔らかさや保湿感が欲しい方にはミルクタイプがおすすめです」


ーなるほど、見せたい表現や欲しい質感で選ぶと良いのですね。アウトバスを使うとどんな効果があるんでしょうか?

「まず、ひとつはドライヤー中の髪のもつれや絡まりを低減して、指通り良く乾かせるようにしてくれること。乾かしやすさを高める働きを持っています。ふたつめはドライヤーによって髪を乾かし過ぎてしまい、パサつきや乾燥の原因となる『オーバードライ』を防いでくれること。下のグラフは「オーバードライ」に関する実験を行ったものなのですが……」

※1 毛束に対して45秒間ドライヤーで乾燥
※2 毛束に対して60秒間ドライヤー処理

「ドライヤーで通常通り髪を乾かしたときに比べて、オーバードライしてしまった状態は髪の水分量が減ってしまっていますよね。でも、アウトバスをつけてからわざとオーバードライ処理をすると、水分量が保たれている 。つまりアウトバスがオーバードライを防いでくれているということなんです。もちろん、防ぐだけでなく、乾かした後の髪にツヤやまとまりももたらしてくれます


ー髪にまとまりやサラサラ感を与えるだけではないんですね。

「それに実は、キューティクルの浮きを整えて、日常のダメージから髪を守ってくれる働きもあります。キューティクルが浮いてしまっているダメージヘアにアウトバスを塗布すると、写真のようにキューティクルが整ってツヤが出る上に、キューティクルが剥がれるのを防いでくれるんです」

左から健康毛、キューティクルが浮いている毛髪、キューティクルが浮いている毛髪にアウトバストリートメントを塗布した毛髪

ーアウトバスって大事なんですね。そもそも一般的になってきたのはいつ頃なのでしょう?

「2000年以降に、徐々に一般に浸透していったカテゴリーだと思います。
アウトバスの先駆けは某メーカーからキューティクルをケアするアイテムが発売され、それが今のアウトバスの原型であったように記憶しています。しかし、髪の毛にべたつきが残ったり、当時流行っていたパーマスタイルがダレてしまうなど課題があり、各社試行錯誤していました。
そんな中で、とある外資メーカーが‘くせ毛用オイル’として発売したオイルが、カラー全盛となった2000年代にはまり、市場に広まっていきました。」

当時発売されていた商品や一般の声をもとに、本当にアウトバスに求められていることは何か、日本人の髪質に合ったものは何か……とミルボンは改良を重ねた。

そして2012年に発売したのが、初代エルジューダFO・MO だ。

当時、多くのアウトバス製品がダメージケアをうたうなか、エルジューダのコンセプトは『ヘアデザインのベース創り』。

ダメージケアはもちろん、エルジューダを使えば自分でも綺麗に髪をまとめられる。美容師にとって使いやすいのはもちろん、お客さまが家で使った際、プロにしてもらったようなブローの仕上がりを再現できるというものだ。

このコンセプトが多くの美容師に支持され、お客さんにも高く評価された。

初代エルジューダの発売から9年が経とうとしている今、アウトバス市場の25%の売上をミルボンが担っている。この数字からも、エルジューダは日本にアウトバスを根付かせる土台を作ったと言えるだろう。

10アイテム はどう違う? エルジューダシリーズの選び方

初代も含めると、エルジューダは全部で10アイテム(2021年1月時点)。今回、それぞれの開発コンセプトや製品の特性を伺い、発売順に商品をまとめた。

どのようにして自分に合うエルジューダを見つければいいか迷っている人や、今より合うものがないか試してみたい人は、ぜひ参考にしてみてほしい。

▼2012年2月発売
エルジューダ FO、エルジューダ MO
芯があるのに柔らかい髪へ

初代のエルジューダで目指したのは「芯があるのに柔らかい髪」。動かしやすい柔らかい髪にはキューティクルの状態が重要であることを突き止め、研究を重ねた。瓦のように重なり合って構成されているキューティクルは、1枚1枚を柔らかくすることはできないが、重なり合った部分を柔らかく動かしやすくしてあげることができる。

キューティクルを柔らかく、動かしやすくするために、エルジューダのオイルシリーズではバオバブオイル※3を 配合。ドライヤーで乾かした髪が柔らかく思い通りの方向に整うように設計されている。(※3 バオバブ種子油(柔軟成分))

・選び方
コシが弱い髪には髪内部のタンパク質を補強できる『FO』を、コシが強く硬い髪にはタンパク質を柔らかくしてくれる『MO』をチョイスして。

▼2014年6月発売
エルジューダ エマルジョン、エマルジョン+
ふわっと軽い質感、動かしやすい髪へ

「やわふわな質感を作る」というコンセプトでミルクタイプになった、エルジューダのなかでも人気のシリーズ。当時、エアリーで柔らかいヘアスタイルが流行していたことから、ふわっと柔らかい 質感を作れる製品を目指し、開発がスタートした。

着目したポイントは「髪の水分量」。髪の毛をさまざまな水分量に調節し、どのくらいの水分量であれば柔らかく動かしやすいのかを実験。バオバブエキス※4を 配合し、“最適なうるおい度”になるよう作り上げた。(※4 加水分解バオバブエキス(保湿成分))

・選び方
細い髪の人は水分をキープする力が弱いので、うるおいを保持しやすい『エマルジョン』を。硬くごわつきやすい髪の人は、さらに保湿力を高めて柔らかくしてくれる『エマルジョン+』がおすすめ。

▼2016年4月発売
エルジューダ サントリートメント セラム、 エルジューダ サントリートメント エマルジョン
日差しが気になる季節の強い味方

紫外線は髪を傷める原因のひとつ。UVケア成分が配合されていて、夜のうちにUVケアを仕込めるのも優れもの。夜にサントリートメントシリーズを使えば、翌日お出かけまで効果が持続。

・選び方
日常のダメージから髪を守りたい人はもちろん、紫外線が強い季節にサントリートメントに切り替えて使用するのもおすすめ。オイルかミルクは好みの質感でチョイスして。

▼2017年3月発売
エルジューダ リンバーセラム、エルジューダ メロウセラム
根元~毛先までしなやかで軽い指通りの髪へ

ダメージケアやデザインベースのためのアウトバスは、中間から毛先に付けるものが多かった。しかし「重くて根元には付けづらく、ベタッとなってしまう」という声が以前よりも増えており 、また当時、髪をかき上げるスタイルがトレンドとなっていたことから開発がスタート。

根元から毛先まで指が通りやすく、髪の毛1本1本がパラパラと軽くほぐれるように、オイルの中にパウダー素材を配合。髪同士が密着しないように作られている。

・選び方
同じオイルタイプでも、表面を整えて毛先にしっかりまとまりが欲しい場合は『FO・MO』。根元の立ち上がりを重視し、軽い質感にしたいときは『リンバーセラム・メロウセラム』。なかでも、細い髪の人は髪全体のコシを高めてくれる『リンバーセラム』、
髪がゴワつきやすい人は柔らかくしてくれる『メロウセラム』 。

▼2017年3月発売
エルジューダ グレイスオン セラム、エルジューダ グレイスオン エマルジョン
美容室帰りのように、毛先が自然と内側に入る髪へ

「家でも美容室帰りのような、きれいに内側にまとまるようなスタイリングがしたい」というお客さまの声を元に、より顧客目線に立った開発が行われたのが最新のエルジューダ グレイスオンシリーズ。美容師のブロー術と、お客さん自身がドライヤーで髪を乾かす様子を何度も比較・研究した。

大事なポイントは、乾燥しやすい毛先の保湿力を高めることと、毛先同士を密着させてまとまりをつくること。この2つを叶えるために開発されたグレイスブレンドオイルは、髪につけたときは毛先まで滑らかに伸び、ドライヤー中はとろみがでてきて毛先をしっかり保湿し、最後に毛先同士を密着させるオイルへと、3段階変化する。

・選び方
『FO・MO』や『エマルジョン』よりもまとまりや保湿感を重視したい人は『グレイスオン』。ドライヤーによる熱ダメージが気になる人にも最適。幅広い髪質に対応してくれる上に、オイルとミルクから選べるので、エルジューダ商品のなかで迷ったら『グレイスオン』から始めるのがおすすめ。


***

やっぱり選ぶのが難しい……という場合は、購入した美容室で相談するのがおすすめ。作りたいスタイルだけでなく、髪質に合ったものを選んでもらえるので、効果を実感しやすいはず。

今後も、現場を知る美容師のために製品を作る姿勢は変えず、その先にいるお客さんに製品のことをもっと伝えていかなければいけないと、瀧野さんは語ってくれた。

「エルジューダも新しい製品に繋がる芽を逃さないよう、常にアンテナを張っています。10アイテムも出ているとはいえ、まだまだ取り上げられる素材はたくさんあると思ってます。時代の変化とヘアデザインのブームを捉えながら、今後も愛される製品を開発していきたいです」

お客さまである美容室、美容師、そしてそのお客さまたち。

それぞれの声に常に耳を傾け、求められる以上のクオリティが出るまで決して諦めない物づくり精神が、ミルボンの研究開発には根付いている。

実際に使って「最高だ」と言えるまで研究し続けてきた毎日の積み重ねが、今のエルジューダの人気に繋がっているのだ。

今後も、研究開発をはじめ、ミルボンの仕事の裏側に迫っていく。

取材・執筆:古矢 美嘉 写真:ミネシンゴ

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