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肌ダメージを瞬時に回復する成分を発見…ってどういうこと? ミルボン研究員にわかりやすく解説してもらった

LAB | 2019.11.28

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こんにちは! ライターのゆぴ(17)です。

本記事は、科学に関して「水兵リーベ僕の船」あたりで止まっている私が、ミルボンの専門性が高い技術や知識のお話を、美しい髪を目指す読者様に向けてわかりやす〜く噛み砕いていくものとなっております。

今回のテーマは、ミルボンとコーセーが「肌の角層のダメージを回復する成分を発見したこと」について。

どうやら世界初となるこの発見。個人的に「なんでミルボンがお肌の研究をしているんだ?」とはてなマークが浮かびますが…。一体どういった発見なのかを詳しく聞いてきました!

スキンケアとヘアケアの考え方は根本的に違うもの

ゆぴ 今回は「お肌の角層のダメージを回復させる成分を発見した」とのことですが…この発見って、そんなにすごいんですか?

古田 いや、めちゃくちゃすごいことなんですよ!!!

具体的には、肌表面の角層がダメージを受けた際の角層中タンパク質の構造変化を分子レベルで評価し、それに伴う水の結合状態の変化を可視化する新技術を確立したうえ、ダメージを受けた角層中タンパク質の構造を再生し、水の結合状態を回復させる成分を、世界で初めて見出したんですけど…

ゆぴ すみません、何を言っているのかわかりません。

古田 はっ、失礼いたしました。では、順を追って、今回の発見の鍵となった「スキンケア」と「ヘアケア」の違いからお話しさせてください。

まず、お肌のカサつき・ごわつき・くすみなどの見た目の印象低下は、肌表面の「ダメージを受けた角層」が原因で起こります。だから、一般的なスキンケアとしては保湿成分によって肌表面を整えながら正常なターンオーバーを促し、次の角層から綺麗に育てていきましょう、というのがスキンケアの考え方です。しかし、肌が生まれ変わるまではおおよそ28日はかかると言われている。つまり、肌というのはある程度変わるのに時間を要するものなのです。

一方で、髪の毛というのはそもそも死んでいて生まれ変わるものではない。だから、否が応にも死んだ細胞をどうにしかしないといけない、というのがヘアケアの考え方になります。

なので、シャンプーやトリートメントというのは瞬時に手触りや見た目を変えられるようになっているんです。

ゆぴ なるほど。根本的に考え方が違うんですね。

古田 そうなんです。そして、今回の発見はミルボンとコーセーさんが美容室専売の化粧品を共同開発する際に生まれたものなのですが、コンセプトは「瞬時に印象を変えるスキンケア」となっています。

実は、今まで美容室専売の化粧品はいくつかあったんですが、成功事例がなかなか見つからなかったんですよ。

美容室は、その場でヘアスタイルや質感、色味などを瞬時に変えられる場ですが、一方で、肌は生まれ変わるのに約28日間程度かかってしまう。そのタイムラグが、美容室でスキンケアがうまくいってない理由なんじゃないか、と仮定したんです。

ゆぴ 髪の毛はすぐに綺麗になるのに、肌はすぐに綺麗にならないというジレンマ…

古田 そう。なので「この場で今あるものを何とかする」化粧品開発を、髪の毛からヒントを得てやっていきたい、というところから研究が始まりました。

肌のダメージを元に戻すキーワードは”リンゴ”!?

ゆぴ とはいえ、スキンケアとヘアケアの考え方が全然違う、と言っていましたよね。つまり、肌と髪の毛って全然別物なんじゃないですか?

古田 実はそうでもなくて、肌の角層の状態を決めるのは「ケラチン」というタンパク質からなる成分なんですけど、髪の毛も約85%はケラチンからできているんですよ。
そして、ミルボンではケラチンの研究がかなり進んでいて、ヘアカラーやストレス、熱などでダメージを受けて崩れたケラチンの構造を元に戻す成分を発見したりもしているんです。

それまでのヘアケアでは水を補ったり、油を補ったり、「足りないものを補う」発想が多かったんですけど、ミルボンでは「壊れたものを元に戻す」発想のもと、開発を行ってきました。

ゆぴ なるほど。であれば、肌のダメージも元に戻せる可能性が高い、と!

古田 そのとおりです!

ケラチンは螺旋状になっているのですが、髪の毛の場合はこの螺旋の形が崩れると、弾力がなくなってしまいます。また、お肌の場合はケラチンタンパク質の解析を進めていると、「水分保持力が減ってしまう」ということがわかりました。

ゆぴ 水分保持力ですか?

古田 はい。角層のなかには2種類の水があるんです。ひとつは湿度低下などで簡単に蒸発してしまう「自由水」、もうひとつは環境が変わっても保持され続ける「結合水」なのですが、ケラチンの構造が崩れると、この結合水が減少してカサつきやごわつきが起きてしまうんです。

古田 実は、日本には国が所有している研究施設があるのですが、そこで巨大な顕微鏡・SPring-8を使って角層を分子レベルで解析しました。

マクロな顕微鏡でミクロな世界を捉えたんですよ!(ドヤ顔)・・・この顕微鏡がスゴいんですが、話すと長くなっちゃうので今日は置いときます。

ゆぴ そんな巨大な顕微鏡があるんですね…! …ところで、結局のところ、その肌ダメージはどうやって元に戻すんですか?

古田 ズバリ、「リンゴ」の力です。

ゆぴ リンゴ?

古田 実は、以前からコーセーさんが未成熟なリンゴの幼果から抽出・精製した「リンゴ幼果エキス」はビタミンCやポリフェノールを含み、抗酸化作用と新しい角層を生み出す力を高める(ケラチノサイト活性)作用があることを見つけていたのですが、今回の研究で、このエキスが角層中のタンパク質の乱れた構造を再生し、さらに結合水の量まで回復させることがわかったんです。



しかもスゴイのが、お肌に馴染ませてから瞬時に肌印象が変化するところなんです!

ゆぴ 今までは効果が出るまで時間がかかっていたところが…!

古田 そう、髪の毛と同じようにすぐにダメージを回復し、効果が実感できるものが発見されたのは、世界で初めてなんですよ。

今回の発見をベースに、従来のスキンケアの「落とす・補う・ターンオーバーを促す」というケアから、ダメージを受けた角層中タンパク質の構造を再生し、結合水量を回復する新たなケア技術の確立につなげていければな、と思います。

「最近髪の毛が痛んでいるな…」と思ったら美容室に駆け込めば1時間でサラサラに仕上げてもらえるのに対し、すぐにはキレイにならないお肌。

それが、今回の研究によって、じっくりケアしなくても良い未来が来るのかも…とワクワクしました!

今後、この研究をもとにしてどんな革新的な製品が生まれるのか…。楽しみですね!

執筆 : ゆぴ
写真・編集 : ミネシンゴ

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