INTERVIEW
コロナ禍で生まれたヘアカラートレンドは?

ミルボン 商品開発部 テクニカルブランド企画室
季節によって変わる髪の悩みやケア方法、人気のスタイルやヘアカラーなど、“髪”にまつわる「知りたい!」について、ヘアサロン業界のトップメーカー、ミルボンが答える当連載。第1回は、昨年のコロナ禍で生まれたヘアカラートレンドと、2022年の流れを解説します。
WWDJAPAN(以下、WWD):ヘアカラーにおいて、昨年起きた変化といえば?
冨永侑子(以下、冨永):“ハイトーンカラーブーム”が起きたことは大きかったですね。
これは大半の美容師さんが実感しているトレンドですが、ヘアカラー剤の出荷量もブームを物語っています。
以前は“低明度や中明度でもハッキリ分かる色”が人気だったのですが、昨年は明度別の出荷量が大きく変わり、“高明度に対して効果のある色”が顕著に伸びました。具体的には、高明度やブリーチアンダーに対応した明度のヘアカラー剤のニーズが、目に見える形で高まりました。
ブリーチ剤もすごく売れたし、透明感のある仕上がりで人気のカラー剤「オルディーブ アディクシー」の、高明度向けラインも好調でした。
WWD:なぜハイトーンカラーブームが起きた?
冨永:理由は2つあると思います。
1つはリモートワークが普及し、上司や同僚の目をあまり気にしなくて済むようになったからです。20年からインナーカラーにチャレンジする人が増え、21年はそれに慣れたのか、ハイトーンカラーを表面に出して遊ぶ人も増えました。
2つ目は、ヘアカラー剤やカラーケアアイテムの進化です。以前は“ブリーチ=髪が傷む”というイメージが強かったのですが、製品の性能向上によりそのイメージは薄れ、チャレンジのハードルが格段に下がりました。
WWD:「WWDJAPAN 2021 ヘアサロン版ベストコスメ」では、ブリーチ毛に対応した“オージュア リペアリティ”ラインが2冠を達成した。
冨永:そうですね。ケアアイテムがハイトーンカラーブームを後押しした、数値的な裏付けだと思います。
WWD:そのブームが市場に与えた影響は?
冨永:明度の尺度が変わったと思います。これまで「明るい」というと、“ブリーチしないでできる最大限に明るい髪”あたりを指していたのですが、今はブリーチベースでペールがかった高明度領域を指して「明るい」というようになりました。
そうした領域に対応したヘアカラー剤も増え、幅広い表現ができるようになりました。
WWD:22年のヘアカラーカルチャーはどうなる?
冨永:インナーカラーが「もっと色を楽しみたい」という思いに引っ張られて表面に出てきたように、一昨年・昨年よりは外出できる機会が増えると期待される中、ハイトーンカラーを楽しみたい人がさらに増えると予想しています。
しかも今は時代の空気感として、“周りがどう思うかではなく、自分らしさや気分を大事にする”流れにあります。ハイトーンカラー人気にそうした流れも加わり、カラーやカットで個性や好みを表現する、よりクリエイティブなデザインが増えるでしょう。
本年度も新たなヘアカラー剤を発売する予定なので、美容師さんもサロンユーザーの方も期待してほしいです。

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